侍ジャパンの一員として活躍したエンゼルス・大谷翔平、中日・高橋宏斗、オリックス・山本由伸、ロッテ・佐々木朗希(左から時計回り)【写真:ロイター、小林靖、宮脇広久】

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ダルビッシュ、大谷、佐々木朗、山本の先発組は計3勝

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した日本代表「侍ジャパン」の原動力として、若く才能にあふれた投手陣が米国を始めた世界から絶賛された。では彼らはそれぞれの所属チームに戻ってから、どんな成績を残しているのだろうか。WBC組の恐るべき好調ぶりが明らかになった。

 メジャー組から見ると、最年長でチームをまとめたダルビッシュ有投手(パドレス)は4日(日本時間5日)のダイヤモンドバックス戦に先発し、勝ち星こそつかなかったものの5回を被安打3、3奪三振、1失点にまとめた。また大谷翔平投手(エンゼルス)も3月30日(同31日)のアスレチックスとの開幕戦に先発し、6回を被安打2、奪三振10、無失点という絶好のスタート。4月5日(同6日)のマリナーズ戦では6回を被安打3、8奪三振、1失点の内容で今季初勝利を挙げた。ここまで防御率0.75、12回で18奪三振と好調だ。

 NPBでもWBCでも先発を務めた佐々木朗希投手(ロッテ)は6日の日本ハム戦に先発して今季初勝利。最速164キロを計時し6回無失点、被安打わずか1本、11奪三振と相手を寄せ付けない内容だった。また山本由伸投手(オリックス)も6日のソフトバンク戦に先発し、6回を被安打2本、無失点の好投で初勝利。三振も6つ奪っている。

 侍ではリリーフを務めたものの、NPBに戻れば先発という投手も多い。戸郷翔征投手(巨人)は4日のDeNA戦に先発し今季初勝利。6回を投げ被安打5、5奪三振、無失点という内容だった。伊藤大海投手(日本ハム)は5日のロッテ戦、勝敗は付かなかったものの5回無失点という好投を見せた。被安打3、三振も4つ奪っている。

 WBC決勝で、マイク・トラウトらメジャーの強打者と渡り合って注目された高橋宏斗投手(中日)は6日のヤクルト戦に先発、6回無失点の好投で初勝利を挙げた。被安打1、1失点で防御率も1.50。三振も8つ奪っている。宮城大弥投手(オリックス)はWBCでの出番は少なかったものの、7日の日本ハム戦に先発し、6回を被安打1本、無失点、7奪三振で今季初勝利を挙げている。高橋奎二投手(ヤクルト)は5日の中日戦に先発し、5回無失点で今季初勝利を挙げた。被安打4、奪三振4という内容だった。

リリーフ投手も軒並み好成績…松井、湯浅はクローザーでフル回転

 NPBでもリリーフを務める投手では、松井裕樹投手(楽天)がすでに3試合に投げ3セーブ。5日の西武戦では史上最年少の通算200セーブも記録した。3回を投げいまだ無失点、計4奪三振で奪三振率は12.00に及ぶ。大勢投手(巨人)は2日の中日戦にリリーフし今季初セーブ。1回で被安打0、奪三振1、無失点という内容だった。

 湯浅京己投手(阪神)はすでに4試合にリリーフし、3セーブ、1ホールドとフル回転。計4イニングを投げ無失点、奪三振も4つと内容も伴っている。昨季前半まで育成選手だったというシンデレラストーリーで話題となった宇田川優希投手(オリックス)は、3試合に登板し2ホールドを記録している。2回1/3を投げて1失点で防御率は3.86。被安打はまだ1本に留めている。

 WBCでは途中で合流し、登板機会のなかった山崎颯一郎投手(オリックス)は3試合にリリーフし1ホールド、計3回を投げて無失点、5奪三振を記録している。逆に途中離脱した栗林良吏投手(広島)はここまで3試合に投げ、1敗2セーブという成績だ。

 残した記録で見れば、ここまで今永昇太投手(DeNA)以外はマウンドに上がり、合計7勝1敗9セーブ、73回1/3を投げわずか4失点で防御率0.49と圧倒的。米国から戻って、環境の違いに戸惑っている選手は少ないように見える。ただ、早くの実戦に合わせて仕上げただけにシーズンは例年より長い。最後までこの勢いを続けられるか注目されそうだ。(Full-Count編集部)