坂本選手(写真:AP/アフロ)

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プロ野球巨人が中日と東京ドームで開幕3連戦を行い2勝1敗で勝ち越した。2023年3月31日に行われた開幕戦を3−6で落としたが、第2戦、第3戦に勝利し2連勝。11年連続で開幕カードを勝ち越した。

「鍵谷投手は迫力不足だと感じる」

昨季リーグ4位のBクラスに終わった原巨人。エース菅野智之投手(33)を欠く中で開幕カードを勝ち越し上々のスタートを切った。優勝へ向けてこの勢いでスタートダッシュはなるのか。巨人で戦略コーチを務めた野球解説者の橋上秀樹氏(57)に開幕3連戦を分析してもらった。

開幕戦は新外国人選手のビーティ投手(29)が先発のマウンドに上がり、6回を投げ10安打2失点で試合を作った。1点リードの9回にリリーフ陣が崩れ4点を失い3−6の逆転負けを喫した。続く第2戦は先発・グリフィン投手(27)が7回3安打無失点の好投を見せ、完封リレーで今季初勝利を飾った。

第3戦は赤星優志投手(23)が先発し中日打線を7回まで1点に抑える力投。2−2の同点で迎えた8回に丸佳浩外野手(33)のソロ本塁打で逆転に成功すると、9回には守護神・大勢投手(23)が今季初となるマウンドへ。3人の打者をきっちり抑えチームを勝利に導いた。

橋上氏は「開幕3連戦を見る限り中継ぎが非常に不安定でした」とし、「いかに大勢投手に繋げるかというところですが、鍵谷(陽平)投手、田中(豊樹)投手、高梨(雄平)投手は他球団のセットアッパーと比べると見劣りする。他球団のセットアッパーは活きの良いピッチャーが多く、球威があり制球も良い。鍵谷投手は迫力不足だと感じますし、打ち取っているというよりは相手がミスショットしたという印象を受けました」と解説した。

「グリフィンはタイミングが取りづらいピッチャー」

巨人は昨季、チーム防御率、失点ともにリーグワーストだった。投手陣の立て直しが優勝へ向けての大きな課題となっているなか、先発陣に関しては第2戦目に先発したグリフィンを高く評価し、菅野不在の中でローテーションの柱になりうる存在だとした。

「グリフィン投手はオープン戦の時よりも力を入れて投げているように感じましたが、制球が乱れるということもそれほどなく左バッターに対してもしっかりインサイドにボールを投げていた。能力の高いピッチャーだと改めて思いました。フォームに力感がない割に球がビッと来る。リラックスしたフォームの中からリリースのところだけ力を入れるような。バッターにとってみればタイミングが取りづらいピッチャーで簡単に打ち崩すのは難しいと思います」

打撃陣に関しては岡本(和真)選手、中田(翔)選手以外はバットが振れていないとし、ミスショットが多かったと分析した。オープン戦から不振が続く坂本勇人内野手(34)については「原監督がどこまで我慢して使うか」と指摘し、開幕3連戦を次のように評した。

「勝ち越すには勝ち越しましたが、投打ともに不安が大きいと思います。まだ全チームの戦力は分かりませんが、昨年を考えればリーグの中で一番厳しい状態にあった中日に対してカツカツの2勝1敗。勝ち越したというよりも不安材料が色濃く残った3連戦だったと思います」

4日から敵地・横浜スタジアムでDeNAとの3連戦を控える。