ICカード使うと損!? 「現金の方が大幅に安い」珍バス路線とは 京葉線の新駅開業で動向に注目
京葉線の新駅、幕張豊砂駅の開業で「イオンモール幕張新都心」へのアクセスが改善されます。これにより、海浜幕張駅からイオンモールまでのアクセスを担っている“珍しい特徴”があるバス路線の去就も注目されます。
海浜幕張駅とイオンモールを結ぶバスの「珍しい特徴」
JR京葉線の新習志野駅〜海浜幕張駅間に設けられる「幕張豊砂駅」が、いよいよ2023年3月18日に開業します。同駅は「イオンモール幕張新都心」と直結しており、海浜幕張駅の利用者の一部が幕張豊砂駅に転移することが見込まれます。
京成バスの車両(画像:写真AC)。
これにより、その動向が注目される“ちょっと変わった”バス路線があります。現在、海浜幕張駅からイオンモールまでの足として利用されている「イオン65」系統です。京成バスと、ちばシティバスが共同運行しています。
この系統は、ICカードで乗車した場合168円なのに対し、現金乗車の場合はワンコイン100円と大幅に安く設定されています。実際に「イオン65」系統に乗ってみると、ICカードでタッチして乗車している人はほとんどいませんでした。なお、誤ってICカードをタッチしてしまっても、現金での支払いに変更できます。
一般的にICカード運賃は、現金もしくは紙の切符よりも安く、首都圏のバスにおいては「バス特」と呼ばれる乗車割引サービスも、廃止傾向ではあるものの存在します。にもかかわらず、ここまで現金支払いの方が安くなる路線は異例です。なぜこのような「逆転現象」が起きているのか、京成バスに聞きました。
同社では近距離の利用促進を目的に、総武線と京葉線の主要駅を起点とする約1km圏内で100円(ワンコイン)運賃を導入しています。その導入の際、ICカードでは「バス特」に加え更なる割引となるワンコイン運賃の設定ができなかったため、ワンコイン運賃は現金支払いのみに対応したのだそうです。さらにこの「イオン65」系統、海浜幕張を平日17時以降に発車する便は、片道運賃が無料となっています。
いまは平日日中で1時間あたり5往復が設定されている「イオン65」系統ですが、前出の通り幕張豊砂駅の開業で、バスから電車へのシフトが考えられます。京成バスは「新駅開業後も引き続き、バス路線の利用動向を注視していきたい」(総務部総務課)としています。
※一部修正しました(3月2日10時15分)。