関西鉄道協会は関西の鉄道事業者19社局と共同し、3月から「手荷物の置き方、持ち方」をテーマとした啓発ポスターを掲示します。その理由を協会に聞いてみました。

手荷物については2017年度以来の啓発

 関西の鉄道事業者19社局は、2023年3月1日(水)から1か月をコア期間とし、共同マナーキャンペーンとして「手荷物の置き方、持ち方」をテーマとしたポスターを掲出します。
 
 手荷物の持ち方……こういった基本的なことまでいちいち啓発しなければいけないほど、マナーは悪化しているのでしょうか。関西鉄道協会に聞くと、「ほとんどの鉄道事業者が、テーマを手荷物にして欲しいと要望したため」、今回の啓発テーマに選んだのだそうです。


列車内のイメージ。撮影はコロナ禍前(大藤碩哉撮影)。

 実際、日本民営鉄道協会が2022年10月1日から11月30日にかけて実施した「駅と電車内のマナーに関する調査」によると、関西の大手民鉄5社で迷惑行為のトップとして挙がったのが「手荷物の置き方、持ち方」でした。

 さらに関西鉄道協会は、手荷物をテーマにしたマナーキャンペーンをしばらく実施していなかったことも理由に挙げました。マナーキャンペーンは毎年行いますが、手荷物をテーマに据えるのは2017年度(当時は主にリュック)以来とのこと。今回のポスターには、大きな荷物は網棚へ上げる、手荷物は膝の上に抱える(着席時)、リュックは手に持つ(立ち時)といった内容が掲載されています。

「荷物の持ち方・置き方」は、駅と電車内のマナーに関する調査で2018年に初めて1位になっています。この時は、最も迷惑を感じる行為として「背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグ等」が挙がっていました。

 ところで、リュックは手に持つものなのでしょうか。体の前に抱えてはいけないのでしょうか。

 関西鉄道協会は、各鉄道事業者により啓発の仕方は異なるとしつつも、「まずは荷物を肩から下ろす」ことを意識して欲しいと話します。特に混雑した車内では、そのまま背負っていると当人の目の届かない範囲で邪魔になってしまうのです。同協会は「周りの方にご配慮ください」としています。

 ちなみに先述した迷惑行為のうち、関東の大手民鉄9社のトップは「騒々しい会話・はしゃぎまわり」でした。