JR京葉線の新習志野駅〜海浜幕張駅間に設けられる「幕張豊砂駅」が、いよいよ3月18日に開業します。それに先立って、2月22日に駅構内が報道関係者に公開されました。同線では25年ぶりとなる新駅、どのような特徴があるのでしょうか。

新たな「トレインビュースポット」が誕生

 JR京葉線の新習志野駅〜海浜幕張駅間に設けられる「幕張豊砂駅」が、いよいよ3月18日に開業します。それに先立って、2月22日に駅構内が報道関係者に公開されました。国内でも有数の規模を持つ商業施設「イオンモール幕張新都心」に直結する新駅となりますが、どのような特徴があるのでしょうか。
 


公開されたJR京葉線の新駅「幕張豊砂駅」上り線ホーム(乗りものニュース編集部撮影)。

 まず目を引くのが、ホームは「東京方面の上り線が高架、蘇我方面の下り線が地平」という珍しい地上2層構造。上下線でホームの高さが異なるのは、国鉄時代に幕張豊砂駅周辺に貨物ヤードを造成する計画があり、平面交差を避けてスムーズに貨物列車をヤードに引き込めるようにした名残です。結局、貨物ヤードは造られず、計画地北側に京葉車両センター、南側にイオンモール幕張新都心や幕張豊砂駅が建設されることになりました。JR東日本では、JR宇都宮線の東鷲宮駅も上下線ホームで高さが異なる同様の構造となっています。

 次に、中に入って見上げると、山手線の高輪ゲートウェイ駅でも採用されている「膜屋根」が目に入ります。自然光を構内に取り入れることで照明を最小限に抑えることができ、デザイン性と環境負荷に配慮した構造になっています。駅舎は鉄骨造平屋建てで、ホームは10両編成対応(全長約210メートル)となっており、京葉線と武蔵野線の各駅停車が停車します。駅の内装には千葉県産木材が使われています。開業時点ではホームドアは設置されていませんが、2031年度までには整備される予定です。
 

 駅は京葉線と武蔵野線の車両が所属する車両基地「京葉車両センター」の真横に位置しており、下り線ホームからは留置車両や入出庫する車両も間近に見学できることが特徴です。現場公開時には、今や京葉線で1編成のみとなったレア車両「209系500番台」が留置されており、じっくり観察できる貴重な機会とあって、取材陣からも歓声が上がっていました。鉄道好きにとっては新たな「トレインビュースポット」の誕生と言えるでしょう。
 
 新駅での開業を契機に、周辺地域も変化しそうです。JR東日本は、駅前でホテルを建設しており、2024年春に開業予定。あわせて歩行者ネットワークも整備されます。「駅直結」となるイオンモールでは、今春から全店舗の3分の1にあたる約120店舗をリニューアルする予定です。