新幹線の車内販売で評判のアイスクリーム「スジャータ スーパープレミアムアイスクリーム」はなぜ「シンカンセンスゴイカタイアイス」と呼ばれるのか、それは始めに話題になった頃に流行っていた小説が関係しています。

「忍殺語」という作中の言葉が由来だった

 新幹線の車内販売で評判のアイスクリーム「スジャータ スーパープレミアムアイスクリーム」。最近は、東京駅で自販機購入も可能になりましたが、このアイスといえば、開封時はかなり固いことで知られており「シンカンセンスゴイカタイアイス」の愛称の方が有名です。


シンカンセンスゴイカタイアイス(画像:ジェイアール東海パッセンジャーズ)。

 なぜこの愛称が定着したのかですが、2013年頃に同アイスが固いとTwitterで話題になっていたことが関係しています。固すぎるために、スプーンが直立する様子などの写真に「#シンカンセンスゴイカタイアイス」とハッシュタグがつけられるようになり、今に至ります。

 文法的には「スゴクカタイ」となるのが普通ですが、「スゴイカタイ」になったのは、当時話題となっていた、小説『ニンジャスレイヤー』の「マルノウチスゴイタカイビル」が元ネタになっているからです。

 同作は、ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズというアメリカ人作家コンビによるものとされているTwitterで連載が始まった小説です。世界観としては1982年公開の映画『ブレードランナー』以降の近未来サイバーパンク的な世界観と、外国人が勘違いしている、トンデモな“ニンジャ”像が盛り込まれている作品で、2015年にはアニメ化もされています。

 同作は用語のクセが強いのも特徴で、それら表現は「忍殺語」とファンからは呼ばれています。2012年9月発売の同作の書籍化第1巻である『ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上1』の発売に際しては、「キンカクテンプル」「ネオサイタマ」「ソウカイヤシンジケート」「サラリマン」などの忍殺語がちりばめられたナレーションのCMが特にKADOKAWA系列のアニメ作品のCMで繰り返し流されており、頭から離れないひとが続出。「マルノウチスゴイタカイビル」という用語もPV第2弾から流され、同作の内容を知らない人でも知る用語となりました。

 ちなみにこのアイス、乳脂肪分が高く空気含有量が低く濃密なため、溶けにくく、さらに新幹線では、保冷バッグにドライアイスを詰め込んだ状態で提供するため、忍殺語風にいうと「実際スゴイ固い」状態が長く続くようです。