工事進む「淀川左岸線」橋桁が見えてきた 万博の「暫定開通」めざし “堤防内トンネル”も形に
まずは新御堂筋までの延伸開通へ
令和10年度代の全線開通をめざす
淀川南岸を抜けて門真方面をめざす「淀川左岸線」(画像:阪神高速)。
大阪市と阪神高速道路が建設を進めている「淀川左岸線」第二期区間の工事が進展しています。
東大阪線に代わる大阪の新たな「東西軸」を担う淀川左岸線。開通済みなのは北港JCT〜海老江JCTで、そこから大阪駅北側を経由し新御堂筋に接続する「豊崎IC」まで延伸予定。さらに東進し、近畿道の門真JCTで第二京阪へ直結すると全通を迎えます。最後の工区(豊崎〜門真)はまだ国庫事業化しておらず、沿線自治体や経済界からの要望活動が続けられています。
そのうち、いわゆる「二期区間」である海老江〜豊崎では工事の真っ最中。淀川の堤防内トンネルへ入っていく海老江JCT周辺では、すでに新たな本線部となる橋桁が架設されています。そこから3号神戸線をまたぐ部分は、橋脚のコンクリート打設工事が進められています。その先のトンネル部は、躯体のコンクリート打設工事が進み、「空間」が姿を現しつつあります。国道2号との交差部では、準備工事として、下水管の移設工事が行われています。
いっぽう新御堂筋と接続する豊崎IC部では、時間のかかる淀川内の橋脚工事と、新御堂筋をくぐる部分の擁壁設置工事、換気塔の建築工事が先行して進められています。昨年夏の時点では、新御堂筋の下はまだ鋼矢板を途中に打ち込んだ段階でしたが、今では掘削が進行し、新たな高速道路が通過していくイメージが現れつつあります。
これらの間のトンネル区間も、2019年から2022年まで各工区ごとに順次工事発注が行われ、鉄道施設周辺をのぞき、最長で2026年夏までの工期で進められています。
開通見込みですが、2026年度末という当初目標の達成は厳しく、最大で8年遅れる見込みだと明らかになっています。ただ、2025年の大阪・関西万博でシャトルバスのみ通行させる「暫定開通」を目指す方針は変わっておらず、「トンネルの床板だけ完成させてバスを走らせる」という状況になる可能性もあるとしています。