天ぷら油で飛ぶ!?

将来の軍隊エネルギー確保のための実験

 フランス国防省内の機関である装備総局は、サフラングループの支援を受け、食用油の廃油などを原料とした燃料である「SAF」を用い、エンジンを改造していない軍用ヘリコプターNH90での試験飛行を成功させたと2023年2月10日に発表しました。


SAFで飛んだNH90(画像:サフラングループ)。

 実験では、同機に搭載されている2基のエンジンのうち1基に従来の航空燃料16%とSAF84%を混ぜた燃料を用いたとのことです。

 SAFはSustainable Aviation Fuelの略で、日本語では「持続可能な航空燃料」を意味します。化石資源ではなく自然や有機物に由来する燃料となるため、実質的な排出CO2の量を削減できるとされています。なお、軍用ヘリコプターがこれほど高いSAFの含有量で飛行することは非常に珍しいそうです。

 テストは、フランス軍の戦略エネルギー供給プログラムの一環として、2月初めにフランス南東部のイストレにある実験センターで行われました。将来の軍隊のエネルギー供給を確保すると同時に、持続可能性の目標を追求することを目的としています。