「交通事情ワーストの都市」脱却に市内幹線道路の整備を進めます。

検討会で「進める準備へ入る」


熊本市内の道路(画像:熊本市)。

 渋滞に悩む熊本市に、いよいよ市内の高規格道路ネットワークが整備されていきそうです。

 熊本市は2015年の交通量調査で、各都市中心部の平均速度「ワースト1」を記録。全国でもトップクラスの交通事情の悪さとなっています。それを克服するため、「10分・20分構想」として、市内中心部から九州道のICへ10分、阿蘇くまもと空港へ20分で到達できる道路ネットワークの整備構想を進めています。

 そして10月27日に開催された検討会では、いよいよ「概略ルート(案)などの検討にあたり、地域との合意形成を図りながら進める準備に入ることを了承」し、具体化へ向けて進み始めました。

 実際、どのような道路整備が計画されているのでしょうか。2021年策定の「熊本県新広域道路交通計画」では、以下の3路線が高規格道路として位置付けられています。
・熊本都市圏北連絡道路:中心部〜熊本IC付近。
・熊本空港連絡道路:上記路線からさらに東の阿蘇くまもと空港をむすぶ。
・熊本都市圏南連絡道路:中心部〜嘉島JCT付近。

 さらに広域的なネットワークとして、「熊本都市圏の今後の方針」では、中心市街地西部の環状路線として「熊本西環状道路」や、そこから北熊本SA付近を経て中九州横断道路へつながるルートが構想されています。

 市内高規格道路は有料道路としての整備も視野に入っており、地上の側道にはバス専用レーンを設置して定時運行を確保する案も出ています。

 実現に向けて、ひとまず国の事業認可が必要となってきますが、その前段階として、採算性やそれを支えるまちづくり、機運醸成や都市計画決定を行っていくことになります。そのために今年8月には周辺自治体などが参画した「熊本都市圏3連絡道路建設促進協議会」が設立。いよいよ来年度から本格的な調査などが始まる見込みです。