Twitterのイーロン・マスクCEOは月額1200円で認証済みバッジが買えるTwitter Blueの販売再開時期を「現地時間の12月2日」としていたのですが、これを延期してApp Storeの手数料を回避できるまではTwitter Blueの販売を再開しないと報じられています。

Twitter’s advertising losses are piling up

https://www.platformer.news/p/twitters-advertising-losses-are-piling



Musk won’t relaunch Twitter Blue until he finds a way to avoid Apple fees | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2022/11/musk-wont-relaunch-twitter-blue-until-he-finds-a-way-to-avoid-apple-fees/

Twitterを買収したマスク氏は、収益改善策のひとつとして認証済みバッジが買えるTwitter Blueをリリース。しかし、誰でも認証済みバッジを購入できるようになったため、認証済みバッジを購入したなりすましアカウントが急増するという問題が発生しました。これを受け、TwitterはTwitter Blueの販売を一時停止し、マスク氏もプラットフォーム上からなりすましアカウントを排除できるまで、Twitter Blueの販売を再開しない意向を示していました。

その後、マスク氏はこれまで青色のチェックマークで表示されていた認証済みバッジを、「個人が青」「企業が金」「政府がグレー」に色分けし、12月2日に販売再開する予定であると発表しています。

イーロン・マスクがTwitterの新しい認証済みバッジでは「個人が青」「企業が金」「政府がグレー」のチェックマークに変わると発表 - GIGAZINE



Platformerの報道によると、TwitterのプロダクトマネージャーはTwitter Blueにいくつかの調整を行うため、販売再開時期が遅れていると社員向けにメッセージを共有したそうです。Twitter Blueに加えられる変更点としては「加入者に電話番号の入力を求める」や「7.99ドル(約1096円)から8ドル(約1098円)への値上げ」が挙げられます。

しかし、Twitter Blueの販売再開を目前にして、マスク氏がさらなる延期を決断したことがわかりました。その一因とみられるのが、Twitter BlueをApp Store経由で販売した際の手数料です。App Storeで「アプリ内購入」を行うと、その30%が手数料としてAppleに徴収されます。30%はあまりに高額であるとして開発者から反発があり、Appleは手数料を15%に引き下げるプログラムを開始しましたが、対象は前年収益が100万ドル以内の小規模事業者に限られています。

マスク氏は先日、「AppleがTwitterへの広告出稿をほとんど停止し、TwitterアプリをApp Storeから締め出そうとしている」とツイートしましたが、PlatformerのZoë Schiffer氏とCasey Newton氏は「TwitterはAppleの30%のApp Store手数料を回避するために、Twitter Blueのリニューアルを延期しています」と報じています。





海外メディアのArs TechnicaがAppleにコメントを求めていますが、返答を得られていないため、AppleがTwitterへの広告出稿を停止したのかどうか確認することは困難です。しかし、報道によるとTwitterのヨーロッパ・中東・アフリカでの広告収入は前年比で15%減少しており、週間ベースでは49%も減少している模様。また、ワシントンポストの報道によると、2022年第1四半期のTwitterの広告収入のうち4%に当たる4800万ドル(約65億7000万円)がApple経由の広告収入であったことが明らかになっています。

なお、もしもAppleとTwitterの確執が長引けば、iPhoneユーザーはウェブブラウザからTwitterにアクセスしなければいけなくなる可能性もあるとFinancial Timesは指摘しています。