怪我した脚を治療してもらう猫(画像は『Ensonhaber 2022年11月17日付「Bitlis’te kedi, kırık için devlet hastanesine gitti」(iHA)』のスクリーンショット)

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病院が病気や怪我を治す場所と知っているのは、人間だけではないようだ。このほどトルコの救急救命室に、脚を骨折した野良猫が助けを求めるかのようにやって来た。猫は抵抗することもなく大人しく治療を受け、新しい飼い主まで見つかったという。『The Dodo』『Ensonhaber』などが伝えている。

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トルコのビトリス県にあるタトヴァン州立病院の救急救命室(ER)に今月17日、脚を骨折した野良猫が助けを求めてやって来たというニュースが多くの関心を集めている。病院が公開した監視カメラの映像には、後脚をかばいながら飛び跳ねるようにして病院内を歩く猫の姿があった。

幸いにも猫は病院から追い出されることはなく、同病院に勤務する看護師のアブザー・オズデミールさん(Abuzer Özdemir)に保護されて治療を受けることとなった。「(病院内を)猫が歩いているのを見て唖然としました」とのちにアブザーさんは振り返っているが、猫を抱き上げると後脚が骨折していることに気づき、そのまま治療室に連れて行ったそうだ。

アブザーさんは猫に骨折した箇所を固定するための副木を当てて、包帯を巻いてあげた。すると猫は自分のために治療していることが分かっているかのように、大人しくしていたという。治療が終わると痛みが和らいだのか、しばらくして猫は自分が来た道を戻って外に出ていった。

ところが猫は、治療したその日のうちに再び病院に戻ってきたそうだ。そして医療スタッフによって骨折した脚を再検査してもらったという。病院のスタッフはそんな猫に愛着を感じて“ダヴショ(Davşo)”と名前をつけて可愛がり、その後も病院に現れると副木を当て直すなどして治療を続けていた。

ダヴショはその後、骨折したおかげで野良の生活を終わりにすることができた。同病院の主任医師であるギョクメン・レイハンル氏(Gökmen Reyhanlı)はメディアのインタビューに応じ、「私たちの友である救急医療スタッフの思いやりに感謝します。スタッフの一人である看護師がこの猫の怪我に気づき、最初の治療を行い、その後この猫を飼うことにしたのです」と話しており、ダヴショはアブザーさんの家族の一員になったものと思われる。

ちなみにトルコでは、昨年4月にもダヴショのように野良猫が病院へ助けを求めにやって来たことがあった。この野良猫は子猫を産んだばかりで、体調が思わしくない子猫を連れて動物病院にやって来たという。

画像は『Ensonhaber 2022年11月17日付「Bitlis’te kedi, kırık için devlet hastanesine gitti」(iHA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)