ボストン・ダイナミクスが「ロボット犬のSpotをパクった」としてロボット企業のゴースト・ロボティクスを提訴
by Web Summit
四足歩行のロボット犬「Spot」を開発したロボット企業のボストン・ダイナミクスが、競合企業であるゴースト・ロボティクスを特許侵害でデラウェア州連邦地方裁判所に訴えました。ゴースト・ロボティクスは「妨害的で根拠のない訴訟」と述べ、徹底抗戦する構えを見せています。
Case 1:22-cv-01483-UNA Document 1 Filed 11/11/22
Boston Dynamics suing Ghost Robotics over quadruped design
https://www.therobotreport.com/boston-dynamics-suing-ghost-robotics-over-quadruped-design/
Ghost Robotics Response to Boston Dynamics Pending Litigation
https://www.prnewswire.com/news-releases/ghost-robotics-response-to-boston-dynamics-pending-litigation-301682057.html
ボストン・ダイナミクスが開発したSpotは、もともと国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けて開発された四足歩行ロボット「BigDog」が基になっており、2020年に一般販売が行われました。なお、Spotを一般販売した当時、ボストンダイナミクスはソフトバンク傘下でしたが、記事作成時点では韓国の自動車メーカー・ヒョンデ傘下となっています。
四足歩行ロボット「Spot」が800万円で購入可能に - GIGAZINE
ボストン・ダイナミクスの開発するSpotがどんなものなのかは以下のムービーを見るとよくわかります。
No Time to Dance | Boston Dynamics - YouTube
そして、以下がゴースト・ロボティクスが開発した四足歩行ロボットのVision 60。
Vision 60 Swamp Dog Q-UGV: Tyndall AFB 24x7 Perimeter Autonomous Patrol - YouTube
ボストン・ダイナミクスは、ゴースト・ロボティクスのVision 60とSpirit 40がボストン・ダイナミクスが所有する7件の特許を侵害していると主張。訴状の中でボストン・ダイナミクスは「被告(ゴースト・ロボティクス)はボストン・ダイナミクスの特許を無謀にも無視し、悪意のあるひどい方法で故意に侵害し続けてきた」と訴えています。
ボストン・ダイナミクスの広報担当者は「係争中の訴訟の詳細についてはコメントしません」としながらも、「イノベーションはボストン・ダイナミクスの生命線であり、我が社のロボット工学者は世界中で約500件の特許取得あるいは特許出願を行っています。新興のロボット企業との競争は歓迎しますが、すべての企業が知的財産権を尊重することを期待しており、それらの権利が侵害された場合は措置を講じます」と述べました。
一方、ゴースト・ロボティクスは「ゴースト・ロボティクスの成功に、ボストン・ダイナミクスが注目しています。ボストン・ダイナミクスは公平な場で競争するのではなく、11月11日に妨害的で根拠のない訴訟を起こし、新参者の進歩を阻止しようとしました。ボストン・ダイナミクスは、イノベーションではなく訴訟にかなり大きなリソースを投入しています」という声明を2022年11月17日に発表し、裁判で争う意志を見せました。
ゴースト・ロボティクスは「公正な競争が市場を動かしていると強く信じており、人類の利益のために脚付きロボット産業が繁栄することを期待しています」とコメントしています。