食事デート中の彼女の“アノ発言”がちょっと無理…。一線を越えても、男が本命にしなかった理由
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか？
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「デートしていたはずの相手をマッチングアプリで発見…その意味は？」という質問。さて、その答えとは？
マッチングアプリの登録画面を開き、審査結果を待つ。しばらくすると審査が通っていたようで、僕は早速利用を始めてみた。
すると想像以上に可愛い子が多くて、かなり驚いてしまった。
今年の春、僕は長年交際していた彼女と別れてしまった。
4年も付き合っていたし、彼女一筋だったため、もちろんアプリも使っていない。浮気もしていない。
だから僕はアプリが新鮮だった。それに意外に女性たちも積極的で、使い始めて最初の1週間で、かなり多くの人から“いいね”やメッセージが届いている。
「全然知らなかった…。アプリっていいな」
そう思いながら、僕は真摯に、ちゃんと結婚を見据えて交際できる女性を探そうと思っていた。
一応、今食事によく行く女性はいる。でもその子がいながらマッチングアプリを使っているのには、ちゃんと理由があった。
A1：長年付き合っていた彼女と別れたあと、というタイミングが悪かった。
最近デートしている相手は、知り合いに紹介された葵という女性だった。
「聡志が、今彼女募集中らしくて。葵ちゃんとかいいんじゃないかなと思って」
そう言って友人が紹介してくれた通り、彼女はたしかに可愛くて良い子だった。
だから出会った当日も、他のみんなは帰るなか、僕たちはパレスホテル東京の『ロイヤル バー』で、2人きりで飲み直すことにした。
「葵ちゃんは、なんで今彼氏がいないの？」
「なんでだろう…理由がわかるなら私も知りたい」
可愛いし、悪いところは見当たらない。
「デートしている人は？いないの？」
「それが誰もいなくて。聡志さんは？なんで？」
「僕は半年前に結構長く付き合っていた彼女と別れて…。次にいく気力が湧かなかったんだよね」
目の前にいる葵には申し訳ないけれど、正直今も100％準備万端なわけではない。
今日も良い人がいれば…とは思ったけれど、“絶対になんとしてでも！”という感じではなかった。
それに久しぶりにシングルになり、少し楽しみたい気持ちもある。
「なるほど…。それはちょっとわかる気がするな。でも聡志くん、結婚願望とかはないの？」
「僕？めっちゃあるよ。いい人がいたら今すぐにでも結婚したいし」
ゆくゆくは、子どもも欲しいし結婚もしたいと思っている。だから結婚願望は強い。
でもこのときの僕の言い方が悪かったのかもしれない。葵が急に前のめりになってきた。
「本当に？」
その瞬間、僕が身構えたのは言うまでもないだろう。
「聡志くん、今彼女いないんだよね？」
「うん。いないよ」
「どういう子がタイプなの？」
「うーん。明るくて前向きな子かな。あと自立している子がいいな」
驚くほどグイグイとくる葵は、質問が止まらなくなっている。
― あ…。この子結婚したいんだな。
初対面の僕でもそうわかるくらい、少しだけ必死感が漂っている。それを感じてしまうと、結婚願望はあるけれど今すぐ誰かと付き合う気になれていない僕は、腰が引けてしまった。
「葵ちゃんは？どういう人がタイプなの？」
「私は優しくて、スマートな人が好きかも。頭がいい人。あとはいいパパになりそうな人かな」
― ナルホド。早く結婚して子どもも欲しいのね。
葵が話せば話すほど、僕は彼女の考えていることが手にとるようにわかった。
「葵ちゃんの周りに、そんな人たくさんいそうだけど」
「それが意外にいないんだよね」
この日はそんな会話をして終わったけれど、別に葵に悪いところはない。むしろいい子だと思ったし、連絡を取り合う仲になっていった。
A2：結婚願望強めな女性に腰が引けた。そもそも交際していない
ただ僕は彼女のことを傷つけるつもりもなかったし、本気になられても今は困るなと思っていたので一線を引いていた。
食事には行くけど、そういうことはしない。
特に今は彼女もいないし、たまに食事へ行く相手としては最高だった。でも葵は違ったらしい。
食事に行くたび、葵はどんどん積極的になった。
「ねぇ聡志。そろそろ、お家に行ってもいい？」
「え？僕の家？」
女性から「家に行きたい」と言われた場合、どうすべきなのだろうか。僕としては来るもの拒まずだけど、本人が傷つかないだろうか。
そもそも、僕たちは彼氏彼女ではない。葵とは今くらいの距離感がちょうどいい。でも葵は引き下がらなかった。
「うん。聡志の家に行きたいな」
― ここまで言うなら、いいのかな…。
あまりにも葵が積極的だったので、断るのも申し訳なくなってきた。
「うーん…。じゃあ次会った時、家に来る？」
「いいの？」
「うん」
こうして、僕はある意味根負けした感じでこの次のデートで葵を家に招き入れたのだ。
ただその日のデート中も、葵の“結婚したい”アピールは止まらなかった。
「やっぱりいいよね、こういう雰囲気。最高」
「葵は好きだね、こういうのが」
「うん。結婚しても、旦那さんとこうやってちゃんとデートできる関係がいいな。子どもがいても、たまには親とかシッターさんに預けて、ちゃんと夫婦の時間を取るの」
― 毎回、絶対こういう話を絡めてくるよね…。
そんなことを思いながら、葵とのデートが進んでいく。どうしようかなと思ったけど、本人はノリノリだ。
「今日おうちに行ってもいい？」
「うん、いいよ」
「聡志、今週は忙しいの？」
「そうだね。今週はちょっと忙しいかも」
「そっか。じゃあ再来週末は会えるかな？予定空けておいてね」
「うん。でも仕事が入ったらごめんね」
この夜は一緒に過ごしたけれど、それ以来、僕は極力思わせぶりなことをしないようにしていた。
― さすがに気がつくかな…。
そう思っていたけれど、葵はグイグイくる。
けれども迫られれば迫られるほど逃げたくなる。そもそも、本気で好きな女性がいれば、アプリは使わない。僕は早めに葵を断って、ちゃんと結婚を視野に入れて考えられる人を探そうと思った。
だからアプリを始めたし、誰かに出会った時点で、ハッキリと葵との関係は終わらせるつもりだ。
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