縮小するタブレット端末市場、20年1月のほぼ半分

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 2022年10月にアップルからiPadとiPad Proの新製品が発売になった。しかし、タブレット端末市場の規模は20年1月以降で最低を記録したことが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。

 2020年はコロナ禍による在宅勤務やリモート授業、巣ごもり需要により、市場規模の拡大スピードは増した。しかし、半導体の供給不足やロックダウンに伴う工場の操業停止などによって供給不足に陥り、21年に入ると販売台数は一転して悪化。22年になっても販売台数は好転せず、厳しい状況が続いている。加えて、アップルが円安による為替レートの変更で価格改定し、実質的な値上げを22年7月に実施。駆け込み需要で若干販売は上向いたものの、22年10月のiPad、iPad Proの新製品発売をきっかけに、iPad AirとiPad miniが再び値上げされ、同月の販売台数指数は56.8と大きく落ち込んだ。

 タブレット端末市場の5-7割を占めるアップルに絞り込み、iPadのシリーズ別に販売台数構成比を算出したところ、21年の8月まではハイスペックだが安価だったiPad Airが半数近くを占めていた。同年9月、3年ぶりに発売となったiPad miniは3割台まで構成比を伸ばしたが長続きせず、同時期発売のiPadがiPad Airと構成比争いを展開した。先にも書いたように22年7月の価格改定をきっかけに変化があらわれ、少しでも安価であるiPadの構成比が増えていく。同年10月は新製品発売もあり、iPadの構成比は54.6%まで伸び、21年1月以降初めて過半数を超えた。

 今後も円安はすぐに改善しないと見込まれており、更に円安が進行した場合、また為替レートが変更される可能性もある。タブレット端末市場はアップルの一強であるため、為替相場次第では市場が更に縮小するかもしれない。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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