海外メディアのThe Vergeが入手した内部資料により、イーロン・マスク氏によるTwitterの買収から1週間で、Twitterのデイリーユーザー数が史上最高に達したことが分かりました。

Twitter tells advertisers that users are growing under Elon Musk - The Verge

https://www.theverge.com/2022/11/7/23445476/elon-musk-twitter-user-growth-all-time-high-advertisers

Twitter may have lost more than a million users since Elon Musk took over | MIT Technology Review

https://www.technologyreview.com/2022/11/03/1062752/twitter-may-have-lost-more-than-a-million-users-since-elon-musk-took-over/

The Vergeが入手したTwitterの社内FAQによると、Twitterの収益に結び付くデイリーアクティブユーザー数(mDAU)は買収以来20%以上成長したとのこと。また、2022年第2四半期(4〜6月)から数えるとmDAUは1500万人以上増加しており、この期間中に初めて25億アカウントの大台を超えたとも報告されています。この数字はTwitterの営業チーム内で共有され、広告主に提示するべく話し合いが進められたとのこと。

一方で、買収以後Twitterのアカウントが100万件以上減少したという指摘もなされています。情報漏えい対策とボット追跡を専門とするプラットフォーム「Bot Sentinel」によると、買収から5日間で87万7000アカウントが削除され、さらに49万7000アカウントが運営により停止されたと考えられるそうです。Bot Sentinelのクリストファー・ブジーCEOは「イーロン・マスクがTwitterを買収したことに憤慨した人々が、抗議のためにアカウントの削除を決めた結果だと考えています」と考察しています。



Twitterを離れるユーザーの一部はミニブログサービスのMastodonに移行していることも伝えられています。使用感がTwitterに近いとされ、非中央集権的かつオープンソースという体制の違いもあってか、Mastodonのユーザー数は買収以後1週間で23万人も増加。さらに買収から11日が経過した時点で、新規ユーザー数が48万人を超え、月間アクティブユーザー数は100万人に到達していることも明らかになりました。

また、運営によるアカウント停止処分が増加したのは、どういった言葉を投稿すればアカウントが停止されるのかという「言論の自由の限界」を探るために、人々が意図的にヘイトスピーチなどの投稿を行った結果ではないかとブジー氏は推測しています。

買収に伴い、Twitterではコンテンツを審査するモデレーションツールが一時停止しているため、いわゆる「Nワード」などの差別的な投稿が急増していることが報告されています。こうした規制の変化が、停止処分の増加につながったと考えられるそうです。かつては数百人の従業員がコンテンツの削除に携わっていたTwitterですが、社内で行われる不正などのいわゆる「インサイダーリスク」を減らすためという理由で、買収後は15人体制へと大幅に縮小しているそうです。

アカウント・ユーザー数が激しく増減し、従業員もレイオフに伴い減少する中、Twitterの広告収入も大幅に減少しているとのこと。ヘイトスピーチの増加が伝えられたことで広告主が出稿を渋る動きが見られていますが、Twitterによると実際は既存の平均値を超えないそうです。マスク氏はこの件に関し、「活動家グループが広告主に圧力をかけたため、収益が大幅に減少しました。コンテンツモデレーションは何も変わっておらず、活動家たちをなだめるためにできることはすべて行ったのに、です」と述べています。