チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、退団を希望するフランス代表DFウィリアム・ガラスに対する獲得オファーがないことを明らかにした。

 昨シーズン終了直後から移籍希望を公言するガラスは、チェルシーの契約延長オファーも拒否。一時は、ACミラン入りが確実視されたが、シーズン開幕を控え、モウリーニョ監督は残留に自信を覗かせている。

「ガラスの代理人に言わせると、チェルシーは彼の移籍を邪魔しているそうだ。しかし、オファーもないのに、どうやって邪魔ができるのだろうか。もちろん、彼は残留させるつもりだ。どんな選手であっても、移籍金が設定されるもの。それは、選手ではなく、クラブが決めるものだ」

 また、クラブに無断でチーム合流を遅らせた28歳のフランス人DFには厳しい処分が与えられるとみられていたが、指揮官は寛容な態度をとることに決めたようだ。

「今では真摯な態度でトレーニングに取り組んでいる。それが一番重要なことだ。リザーブに混じってトレーニングをこなしているし、マケレレと一緒に個人トレーニングにも汗を流している。今のところ、リバプール戦(13日)で起用する予定はない。開幕のマンチェスター・シティ戦(20日)が目処だ」

 圧倒的な財力をバックに、自らの起用法に不満を漏らす選手を次々と放出してきたモウリーニョ監督。しかし、本職のセンターバックに加え、サイドバックでも高いレベルでプレーできるガラスはチームに不可欠なピース。「私は新しい挑戦が好きなんだ。不満を持つ選手をチームに置くのも新たな経験だ」と、なりふり構わず残留させる考えのようだ。