カルチョ・スキャンダル判決に揺れ、今夏の移籍市場で遅れを取ったACミランがついに動く。同じミラノに拠点を持つインテルがグロッソ、ビエィラ、クレスポ、イブラヒモビッチと大型補強劇を演じる中、これといった補強のないACミラン。だがライバルの移籍市場“一人勝ち”状態を黙って指を咥えて見ているわけではなかった。

欧州CL予選の行われた9日、セルビアの名門レッドスター相手にホームで1−0勝利を挙げるもスタンドで見守ったACミラン会長ベルルスコーニの表情は厳しかった。誕生日弾を挙げたインザーギに対し、皮肉な事に将来のエース候補ジラルディーノの大ブレーキが移籍市場大型補強への引き金となった。前イタリア首相の大富豪ベルルスコーニは先日「ACミランは常に移籍市場終盤にサプライズを用意」と発言、一時はロナウジーニョ獲得か?との報道が世間を賑わせた。

イブラヒモビッチ獲得争いに敗れたことで焦るACミラン、ついに“シェフチェンコ・マネー”投入を決意。ACミランは獲得大本命としてロナウド(30=R・マドリー)とF・トーレス(22=A・マドリー)を候補に絞った。その他の獲得候補としてトレゼゲ(28=ユベントス)、ドログバ(28=チェルシー)も挙がっているが、ACミランサポーターへのサプライズ度を考慮するとロナウド、F・トーレス獲得失敗時の“控え要員”との印象が強い。

ACミランの今夏の移籍市場はここまで収入5000万ユーロ(約73億円)に対し、支出900万ユーロ(約13億円)。シェフチェンコ放出で稼いだお金はまだ約60億円余る収支決算。約22億円のロナウドか、約55億円のF・トーレスか。明日12日にA・マドリーとの練習試合を控えるACミラン、“シェフチェンコ・マネー”を握るベルルスコーニの最終決断が迫る。