エディンバラ大学でテクノロジーやAIについて研究しているシャノン・ヴァロワ氏がTwitterで「今のテクノロジーは長らくユーザーの誘導と監視を重視しているため、新しいテクノロジーについて感じていた喜びが少しずつ失われてしまったことは本当に悲しいことです。以前は逆で、テクノロジーは私が最も愛したものの1つです」と語りました。このヴァロワ氏のツイートに対して、経済学者であるフリスコ・アップリンク氏があるエピソードを紹介し、「今やテクノロジーは疑うべきものになってしまった」と嘆いています。

I help seniors with technology issues | Hacker News

https://news.ycombinator.com/item?id=33314291

「私は高齢者のテクノロジーについての問題をボランティアで支援しています。私がいつも面倒を見ている女性が、LenovoのノートPCを持ってきました。彼女はまだ値札が貼ってあるその中古のノートPCを500ドル(約7万4000円)で買ったそうで、『買ったばかりなのになんでこんなに遅いの?』と尋ねてきました」



「私はタスクマネージャーを起動して確認しました。すると彼女の言うとおり、CPU使用率がずっと100%になっており、ノートPCはほとんど使えない状態でした。プロセスを調べてみると、バックグラウンドでLenovoブランドのありとあらゆるジャンクウェアが実行されていました」



「ちょっとGoogleで検索するだけで、この状態がこういったPCでよくある問題であることがわかりました。Lenovoのフロントエンドを立ち上げて、この問題をすべて解決しようとしたのですが……このひどいLenovo製ソフトウェアは不要なスプラッシュ画面を表示して、まったく使えないひどいアプリを起動します」



「掘り下げていくと何が起こっているのかわかります。Lenovoは常時監視を望んでいるのです。彼らは顧客との『関係』を望んでいます。それは薄いベールに包まれてPCに搭載されたバックドアなのです。トラックパッドは本当にどれくらいの頻度でファームウェア更新を必要とするのでしょうか?私は女性に削除の承諾を求めました」



「問題はこのゴミプログラムが実行されているため、PC自体が完全に停止してしまっていることです。『プログラムの追加と削除』にアクセスするだけで5分もかかるほどで、すべての実行が遅くなっています」



「女性にすべてを説明した後、時間がなくなったので、Lenovo名義の監視ゴミアプリに関するすべてのものをPCから削除しました。再起動すると、CPU使用率がぐっと下がり、UIが確実に反応するようになりました」



アップリンク氏は、「高齢者が他人と連絡を取り合い、文化的な市民生活に参加するためにはテクノロジーは必要なものであるにもかかわらず、メーカーは監視するためだけにゴミのようなソフトウェアで高齢者のエクスペリエンスを低めています」と批判しています。また、「20年前はテクノロジーに簡単にワクワクできました。しかし今では、業界全体の倫理が疑わしいものとなっており、絶え間ない精査と懐疑論が求められています」と述べ、メーカー側の倫理観の欠如によってテクノロジーへの期待と憧れが失われたと主張しました。