マンチェスター・ユナイテッドのFWウェイン・ルーニー(イングランド代表)は10日、チームメイトのMFクリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)との“冷戦状態”を、自らの言葉で終結させた。

 ドイツ・ワールドカップ準々決勝の“ルーニー退場劇”以来、対立関係にある伝えられた両者。しかし、20歳のイングランド代表FWは、C・ロナウドとの間にしこりは残っていないと語る。

「彼はいいヤツだし、お互いの関係に問題はまったくない。実際、ポルトガル戦の夜にも話をしたしね。たしかに、僕を退場させようと主審に詰め寄った姿を見たときは、いい気分はしなかった。でも、あの時の僕たちはチームメイトではなかった。お互い試合に勝つことで必死だったんだ。今では普通に話しているし、特別なことは何もない。練習にはマスコミが大勢駆けつけて、グランドの上空にはヘリが飛んでいるけど、まったく何を期待しているんだろう」

 しかし、エースストライカーを退場に追い込んだ“戦犯”に対し、イングランドサポーターは敵意をむき出しにしている。7日に行われたオックスフォード・ユナイテッドとの親善試合では、ポルトガル代表MFがボールを持つたびにブーイングの嵐が起きた。しかしルーニーは、この試練がC・ロナウドを成長させると考えているようだ。

「ブーイングはすごく残念だ。だって、彼は素晴らしい選手なんだから。ただ、彼に対するブーイングは今にはじまったことじゃない。アウェイのゲームでは、2年前からあった。それでも、彼なら乗り越えられると思う。そして、偉大な選手へと成長するはずさ」

 周囲の喧騒を嫌ったC・ロナウドが退団を希望するなど、両者の関係は修復不可能と伝えられた。しかし、周囲の憶測とは裏腹に、チームメイトを気遣う発言に終始したルーニー。“悪童歴”の長いエースストライカーには、バッシングを受けるチームメイトの立場が痛いほど分かるようだ。