アーセナルDFアシュリー・コールの去就問題が混迷を極めている。イングランド代表左サイドバックの獲得を熱望するチェルシーは、1600万ポンド(約32億円)のオファーを提示。しかし、アーセナルが2500万ポンド(約50億円)の設定金額から譲歩する構えをみせず、交渉は暗礁に乗り上げている。

 難航する交渉について、プレミアリーグ王者チェルシーは公式ホームページ上で、「交渉は引き続き行なわれているが、アーセナル側と当方の条件に大きな開きがある。現状では合意に至っていない」との声明を発表。ジョゼ・モウリーニョ監督も、コールの獲得を断念する可能性を示唆している。

「アシュリー・コールはアーセナル所属の選手であり、彼らにはオファーを断る権利がある。また、我々のオファーにも限界があり、現状から1ポンドも上乗せするつもりはない。我々はコールの獲得に力を注いできたし、彼は我々にとって重要な獲得候補選手ではある。ただし、私も彼1人だけを追っていたわけではない。他の選択肢がないわけでもないのだ」

 一方、主力選手の放出に難色を示すのが、ガンナーズの主将ティエリ・アンリだ。

「アシュリーには残留してほしい。彼は世界一の左サイドバックだ。簡単に穴埋めできるような選手じゃない。それに、もしチェルシーに移籍することになれば、僕たちが追いかけるべきチームに、最高の選手を譲り渡すことになってしまう。そんなことは受け入れられない」

 シーズン開幕を翌週に控え、両陣営ともに今週中の解決を望む今回の移籍問題。コール本人の意思とは裏腹に、アーセナル残留の公算が高くなったといえそうだ。