「審判操作」、「八百長試合」などカルチョ界を激震させたスキャンダル。名門ユベントスの2季連続優勝剥奪・セリエB降格を始め、ACミランは欧州CL本戦から予選参加に、守備重視のセリエAに魅力ある攻撃で旋風を巻き起こしたフィオレンティーナは欧州CL出場権剥奪と続々とスキャンダル判決が下された。

2審判決が下された7月25日を境に一段落したかに見えたスキャンダル騒動に先日8日、新たな疑惑が浮上した。レッジーナの八百長疑惑・・・捜査当局は04−05季のパレルモ(ホーム・アウェイ)、ブレーシャ、カリアリ、ウディネーゼ、サンプドリアとの6試合でレッジーナによる不正操作があったと発表。新聞、テレビで大きく報道される事件へと発展した。

渦中のレッジーナ会長パスクワーレ・フォーティは多くの報道陣を前に「恥を知れ。我々は一切関係ない。潔白を確信しているし、不正疑惑報道が過ちだとすぐに判明する」と声を荒げて当局批判したが、当時の審判決定最高責任者パオロ・ベルガモとの電話内容がその当局に押さえられているだけに事態は深刻。

重い判決の下された1審後、各クラブとも一斉に「一切無実」「上告」を訴えたが比較的軽い判決が下された2審後は「この判決は残念・・・」と表面上を取り繕うのみ。本当に無実ならばクラブの名誉を賭けて徹底抗戦するべきだが、A残留となったACミランは騒動に終止符を打ち、フィオレンティーナは情勢を見極め中。ラツィオは「軽減を希望する」姿勢を見せてはいるが、裏を返せば不正を認めている証拠。W杯優勝の好影響、人気クラブ総崩れによるカルチョ人気凋落を危惧した結果がユベントス一人負けの状況を作った。

レッジーナ不正疑惑報道直後、当時B落ちの憂き目に会ったブレーシャはA昇格をFIGC(イタリアサッカー協会)に申し出ている。再燃したスキャンダル騒動。「恥を知れ」と声を荒げたフォーティ会長だが、言われるべき対象は捜査当局か、あるいはレッジーナか。不正により相手を陥れた容疑のかかるフォーティ会長、天に唾すとなってしまうのか。