アーセナルは8日、チャンピオンズ・リーグ(CL)予備予選の第1戦を戦い、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)に3−0で勝利した。しかし、アーセン・ヴェンゲル監督は、ベンチ入りしたFWホセ・アントニオ・レジェスの起用を見送った。

 ヴェンゲル監督は、レアル・マドリー移籍が噂されるレジェスをザグレブ戦のメンバーに召集。アーセナルの選手として1度でも出場すれば、レアルに移籍してもCLに出場できなくなるため、指揮官の采配に注目が集まっていた。しかし、ヴェンゲル監督は、「レアル移籍の噂で集中力を失っている」として、レジェスを起用しなかった。

「レジェスが試合に集中できているとは思えなかった。CLの出場資格など、まったく考えなかったがね。レジェスの残留には自信がある。今日起用しなかったことに、特別な意味などないよ。試合に勝てるメンバーを選んだまでだ。あとは好きに想像していただいて結構だ」

 一方、ザグレブ戦を前に、レジェスの代理人ロドリゲス・デ・モヤは、ヴェンゲルの采配がレジェスの去就を左右すると話していた。

「ザグレブ戦に出場すれば、移籍は難しくなるだろう。レアルは、多額の移籍金を払ってまで、CLに出場できない選手を獲得しないだろうからね。クラブ間では交渉がはじまっており、我々は状況を見守っている。レジェスがレアルでのプレーを望んでいるのは、もはや誰もが知る事実だ。アーセナルには何の不満もないが、母国スペインが恋しいようだ」

 ヴェンゲルが起用を見送ったことで、さらに加熱しそうなレジェスの去就問題。クラブ間の交渉が明らかになっただけに、レアル移籍が濃厚との見方も強い。ヴェンゲルとしては、レジェス抜きで快勝したことが、最大の収穫と言えそうだ。