チェルシーが移籍交渉を不正に行なっていた疑惑が浮上している。告発したのは、チェルシーの元会長で、現在リーズ・ユナイテッド(チャンピオンシップリーグ、実質2部)の会長を務めるケン・ベイツ氏だ。

 ベイツ氏によると、チェルシーはリーズのアカデミーに所属していたマイケル・ウッズ、トム・タイウォ、ダニー・ローズの3選手と無許可で移籍交渉。その結果、昨シーズンの終盤に、ウッズとタイウォがチェルシー加入を決めている。この不正交渉について、ベイツ氏はイングランドサッカー協会(FA)に告発を行なったとしている。

「チェルシーは、当クラブの若手3選手と不正に移籍交渉を行なった。これはリーグの規定に反する行為だ。本日、FAに告発を行なった。チェルシーがリーズの2選手を不正に獲得した証拠は十分に揃っている」

 FAの広報担当は、「リーズから連絡は受けている。正式な文書は受け取っていないが、受理次第しかるべき対応を行なう」と話している。

 また、2003年にチェルシーをロマン・アブラモビッチ氏に売却したベイツ氏は、チェルシーに対する処分についても言及。プレミア王者の経済力を考慮して、しかるべき処罰を与えるべきとしている。

「ロマン・アブラモビッチオーナーの経済力を考えれば、罰金を課したところでほとんど意味を成さない。我々としては、勝ち点の剥奪、新加入選手の登録禁止、チャンピオンズ・リーグの出場取り消し、といった処分が適当だと考えている。この世界には、規則がある。ルールを守らない者に、参加する権利があるのだろうか?」

 昨年、アーセナルの許可を得ずDFアシュリー・コールと移籍交渉を行い、処分を受けたチェルシー。今回の件に関してコメントは発表していないが、2年連続の不正が発覚すれば厳罰は必至。今後、厳しい追求が行なわれるのは間違いなさそうだ。