名古屋、“すべてにおいてかみ合わなかった”ガンバ戦の敗因は?「何かを間違えていたのか」稲垣も答えを出せず…
すべてにおいてかみ合わなかった、かみ合いきらなかったのが名古屋の敗因だった。
何か明確なミスや戦術的な失敗があったというよりは、掛け違いの連鎖を断ちきれなかったというほうが印象としては近い。それは試合開始早々の稲垣祥のバックパスがピンチになりかけたシーンから始まり、その後も90分の中で形を変えながら名古屋の攻守を蝕んだ。
G大阪は前節の広島戦もそうだったが、この2トップはルーズボールに強い。結果、パトリックは転倒しながらも、ボールをファン・アラーノに拾わせるのに成功し、すぐさま立ち上がると名古屋のマーカーが1人もいないオンサイドにいるという幸運も引き寄せた。
名手ランゲラックも「あのような形で(先制点を)取られたことが残念でならない」といら立ちを隠せない様子で、改めて見てもこの瞬間の名古屋の守備陣形はガタガタだ。J・アラーノの精緻なパスと、パトリックの決定力は褒めなければいけないが、その前の段階で名古屋はクリアするチャンスが何度もあった。
リードを奪われれば名古屋はやや強引にもなり、G大阪は逆にセーフティからカウンター狙いも強くなる。相手の4−4−2とのミスマッチを飲水タイムで修正し、後半からはフォーメーション自体を3−4−3から3−5−2へと変えて巻き返しを図った名古屋だったが、1点を追う状況に今度はノッキングを起こす。
前半はチームとしての戦い方がはっきりしなかった部分でのかみ合わなさが重大だった。しかし、今度は明確にしたゆえのチグハグ感が出た。
「きれいなパスじゃなくても、くさびをどんなタイミングでも良いから打ち込んでいこうと。それを前は上手く処理しようと。けど、今度はそれはそれでうまく前と後ろのタイミングが合わなくなった」とは重廣卓也の言葉。リンクマンとして奔走し、守備でも気の利いたところを見せていた新戦力だが、53分にベンチに下がって以降もそのチグハグさは拭えなかったと話す。
「距離感、ポジショニングの問題が今日はもろに相手の4−4−2に対して出た」
その元凶は当然のごとく最初の失点で、取り返す戦いの難しさが判断力や連動感に影響したのは否めない。
采配もプレーも思うようにいかない名古屋に対し、G大阪はその点で冴えていた。後半に入り、J・アラーノだけがややゆったりと、時間を浪費するようなプレーをするようになり、それは良い面を持ちつつもチーム全体の判断とはやや違和感を抱くものではあった。
それでもポゼッションに、速攻にと欠かせない戦力をギリギリまで引っ張った松田浩監督は、満を持しての84分にJ・アラーノを山見大登にスイッチ。馬力のあるアタッカーを入れてチームをリフレッシュさせると、3分後には名古屋の直接FKを東口順昭がキャッチで処理して相手の勢いを断ち切った。そこからのパントキックが鈴木武蔵のスーパーゴールに結びつくのだから、流れというものは恐ろしい。
だが、的確な交代策と東口の勇敢なる好判断が終盤の優位を確固たるものにしたのだから、名古屋とのコントラストは残酷なほどに鮮やかだ。稲垣は試合後、「捉えづらい試合。全部が悪かったわけでもないし、何かを間違えていたのか、って思い返してみても、どこだったんだという。振り返ってみても、難しい試合だなと思う」と、普段の明晰さを発揮できずにいた。それほどまでに、名古屋は暗中模索の中でG大阪と戦っていたのだ。
