豪快なドリブル突破を武器に“ポパイ”の愛称で知られるビンチェンツォ・ヤクインタ(26=ウディネーゼ)がマフィア撲滅を誓った。1日付のガゼッタ・デッロ・スポルト紙の特集記事によると、W杯優勝後のバカンスを南伊カラブリア州クトロで過ごしたヤクインタは「この地域は常にマフィアの存在に脅かされている。ンドランゲタ(カラブリア州を代表するマフィア組織)に対抗する若者は徐々に疎外され、最終的には孤独を味わう事になる」と故郷の惨状を訴えた。

ガットゥーゾ、ペロッタとともに3人のカラブレーゼ(カラブリア出身者)W杯出場は過去に例が無い。イタリア経済の中心地ミラノ、世界有数の観光地ローマを筆頭にイタリア全土から“イタリアのお荷物”として揶揄される事の多いカラブリア州。若者の台頭を妨げ、軌道に乗った商店が爆破されるなどの横暴を黙って見過ごす事は出来なかった。

「今こそカラブレーゼが団結する時」と決起を促したヤクインタ。W杯優勝という頂に立ったからこそ見渡せる景色もある。ヤクインタの勇気あるマフィア撲滅宣言、彼を孤立させるような事があってはならない。