日本でのヒッチハイク成功率はどのくらい?危険性は?実際に聞いてみた
移動費を浮かす手段として、バックパッカーなどに取り入れられているヒッチハイク。
目的地の近いドライバーに相乗りさせてもらうことで、人の優しさに触れられたり、思わぬ出会いがあったりと、独特の魅力があるようです。
けれども一般的な感覚からすると、赤の他人の車に乗せてもらうことのリスクは大きいように思えてしまいます。実際のところ、ヒッチハイクで危ない目に遭うことはないのでしょうか。そもそも、ヒッチハイクはどのくらい成功するものなのでしょうか。
大学生の頃に3回、ヒッチハイクで日本一周を果たし、それからも長期休暇の度にバックパッカーとして全国を旅しているというイケヤさん(仮名)と、半年前に日本一周を経験したばかりというハネダさん(仮名)に話を聞きました。
ヒッチハイクの成功率はどのくらい?
ヒッチハイクと聞いて、やはり気になるのは「どれくらい乗せてもらえるのか」というポイントでしょう。
見ず知らずの他人を車に乗せることに抵抗を覚えるドライバーは多いように思われますが、実際のところはどうなのでしょうか。
「成功率は本当に、運と道路状況によるとしか言えないですね。初めて3分も経たずに乗せてもらえることもありますし、地方の車通りがないところで3時間くらい粘ったこともあります。
でも、ヒッチハイクの旅は10回以上していますが、どうにもならずに立ち往生という場面はなかったですね。なんというか、興味を持ってくれて止まってくれているような印象です」(イケヤさん)
どうやら一般にイメージされているよりも、気軽に乗せてくれるドライバーは多いようです。日常的に運転していても、ヒッチハイカーに遭遇する場面はなかなかありませんから、物珍しさから声をかけるドライバーもいるのかもしれません。
「高速のSAだと、結構すぐに乗せてもらえましたね。トイレでボードを脇に抱えているところに、声をかけてもらったこともあります。
なんとなくの感覚ですけど、表情がハッキリ見えている状態だと意識に止まりやすいように思いますね」(ハネダさん)
サービスエリアではすでに車が止まっており、はじめから人と人とのコミュニケーションを展開できるため、成功率も上がりやすいようです。乗せる側にとっても、どんな人物かがわかりやすいことが安心感につながっているのかもしれません。
ヒッチハイクで危ない目に遭ったことは?
とはいえ、自動車という逃げ場のない空間で、まったくの他人に行き先を委ねるヒッチハイクには、相応のリスクがあると考えられます。
実際に、ヒッチハイク中に危険な目に遭うことはないのでしょうか。
「自分の経験では、こんなにしてもらっていいのかな、と思うことの方が多いですね。『ご飯食べていきなよ』とか『泊まってく?』みたいなことも結構あるので、いつもお言葉に甘えさせてもらっています。
あぁ、でも1回だけ、乗せてもらった方のご自宅で夕飯をご馳走になっているときに、『実はそのお水は特別で……』という感じで、明らかにマルチ商法と思われる説明をされたことがあります。
他人の家の中だし、ヤバいなこれ、と思いましたね。しばらく話を聞いた後、電話がかかってきたフリをして、親が病院に運ばれたってことにしてその場を逃れました」(イケヤさん)
身の危険とまではいかなくとも、やはり面識のない他人の車に乗る以上、想定外の状況に陥るケースもあるようです。一方のハネダさんは、ヒッチハイクを通じて、人のぬくもりに触れる経験が多かったと語ります。
「怖い思いをしたことはほとんどありません。60歳くらいのちょっとヤンチャそうな男性に乗せてもらったら、その方が元暴走族だったことはありました。
気さくな方で全然怖くはなかったんですけど、私が最終的な目的地に着けるかをすごく気にしてくれて、トラックドライバーの仲間の方に電話して『ヒッチハイクしている子がいるから○○まで乗せてってあげてよ』みたいに交渉してくれたんです。
でも、乗せてもらう人との交渉は自分でしないとヒッチハイクの意味がないと思い、恐る恐る断りました。怒られるかと思いましたが、『えらいなぁ!』と言われ安心したのを覚えています」(ハネダさん)
しかし、周囲には怖い目に遭った経験のあるヒッチハイカーもいるようです。
「ヒッチハイクをしている女性の友人もいるんですが、しつこく自分の家やホテルなんかに誘ってくるドライバーも結構いると聞きます。直感的に危ないと思ったら乗らない、と言う人もいますし、そういうことを気にしているうちに気持ちが滅入り、今ではもうやっていないという人もいます」(ハネダさん)
治安がよいとされる日本国内に限っても、2020年に高知県でヒッチハイカーの女性が同乗した車内で男性に刃物で刺される事件が起きており、安全性を担保できない状況も生じうると考えられます。
人とのつながりを実感する貴重な機会にもなりうるヒッチハイクですが、そのリスクについても十分考慮しておく必要がありそうです。
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