リバプールのラファエル・ベニテス監督は、チャンピオンズ・リーグの予備予選3回戦でイスラエルのマッカビ・ハイファとの対戦が決まったことについて、紛争状態が続くイスラエルでの試合開催を拒否する姿勢を示した。

 マッカビ・ハイファとの対戦が決まったリバプールは、8月22日か23日に行われる第2戦で、アウェイ戦を戦うことが決まっている。しかしベニテス監督は、イスラエルとレバノンの紛争が続く状態では、選手、スタッフ、ファンの安全が確保されないとして、試合会場の変更をUEFA(欧州サッカー連盟)に求める構えだ。

「サッカーの試合ができるような状況ではない。イスラエルでの試合を考慮することすら受け入れられない。バレンシアの監督時代に、UEFAカップでマッカビ・ハイファと対戦したことがあったが、その時はキプロスで試合を行なった。しかも、当時の状況は今よりずっと落ち着いていたのだ。もちろん、現地の人々は辛い生活を送っているだろうし、考えるだけでも悲しい気分になる。しかし、我々は安全を考えることが第一であり、イスラエルで試合をすることは不可能だ。アウェイ戦に出向くサポーターのためにも、UEFAには迅速な決断を求める」

 一方のマッカビ・ハイファ側は「イスラエルにも多くのリバプールファンがいるので、是非試合を行ないたい。テル・アビブであれは安全だ」と自国での試合を望んでいるが、UEFAサイドが「選手、ファン、スタッフの安全が何より重要であり、安全が確保できない限り、会場の変更を検討する」とのコメントを発表しており、イスラエル国外での開催が確実だ。

 リバプール側は、紛争から逃れるために多くのレバノン人が入国しているキプロスでの開催も拒否しており、現状では中立国のオランダで試合を行なう可能性が高いとされている。