巨大タブレットがノートPCを不要にする? 14.6インチの「Galaxy Tab S8 Ultra」

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タブレットと言えばアップルの「iPad」を思い浮かべる人が多いだろう。日本では全タブレット出荷台数の約半数、世界で見ても約3割がiPadと圧倒的な強さを見せている。
IPadは片手でも持てる小型のiPad miniから、キーボードやApple Pencilを使いクリエイティブツールにも使える大画面のiPad Proまで、豊富なラインナップも大きな魅力だ。

しかしそんなiPadよりも大型で、しかもノートPCのように使えるタブレットが登場した。サムスンの「Galaxy Tab S8 Ultra」だ。

Galaxy Tab S8 Ultraの画面サイズは14.6インチ。iPad Proの12.9インチより一回り大きいだけではなく、一般的なノートPCとも変わらぬ大画面を搭載している。


14.6インチ画面のGalaxy Tab S8 Ultra


付属のスタイラス「Sペン」は手書きをする際は充電不要で使え、本体の背面側にマグネットで収納できる。ペンの遅延速度は2.8msで、これはApple Pencilの9msよりも反応がいい。

ペンは文字や絵を書くだけではなく、背面に装着して自動充電しておけばカメラのリモートシャッターになるなどリモコンとしても使える。さらにペンで書いた手書きの日本語をテキストに変換や、ブラウザのURL欄にペンで直接文字を書き込むこともできる。Sペンは高性能なスタイラスなのだ。


Sペンで手書きも自在、リモコンや文字テキスト化なども可能だ


これだけ大きい画面を持っていれば、別売の外付けキーボードを使ってノートPC代わりに使うことも十分可能だ。もちろんiPad Proもキーボードを取り付ければノートPCのような外観になる。
だがGalaxy Tab S8 Ultraはその大きさも相まって、キーボードを装着した姿はタブレットではなくノートPCにも見えるだろう。


キーボードをつけるとノートPCのような姿になる


Galaxy Tab S8 Ultraは大きい画面を分割して使うことも可能だ。
Galaxyシリーズは独自の分割機能を持っているので、画面を最大3分割して使うことができる。さらにその上に小さいウィンドウを浮かべて表示することも可能だ。

たとえば、グーグルドキュメント、ブラウザ、翻訳アプリを同時に開き、さらに時計や電卓を小さいウィンドウで浮かべる、といったように多数のアプリを同時に使うことができるのである。

Galaxy以外のタブレットでも分割画面に対応した製品はあるが、Galaxy Tab S8 Ultraは14.6インチの巨大な画面を使える上に、複数アプリの使い分けの自由度が高い。ここまで複数のアプリ、ウィンドウを同時に使えるタブレットは他には無い。


さらにGalaxyタブレットは「DeXモード」という機能を利用できる。
これはタブレットの画面をPCのように使える機能で、デスクトップ上に複数のアプリを自由なサイズで配置できる。これこそ一見するとノートPCと変わらぬ外観となり、使い勝手はPCとほぼ同等になるのだ。

バッテリーの持ちはノートPCより良く、起動(スリープからの復帰)も一瞬、そして726gと計量のため手軽に持ち運べる。海外では5Gモデルも販売されておりいつでもどこでもネットアクセスも可能だ。


DeXモードでWindows画面のようにも使える(写真は別のGalaxyタブレット製品)


またアプリの対応の関係からノートPCをどうしても持ち運ばなくてはならない場合は、軽度な作業はGalaxy Tab S8 Ultraで済ませるのもいいだろう。アイディアやメモ、スケッチ、イラストを書く際に、ノートPCがタッチパネルとペン入力に対応していないのならば、Galaxy Tab S8 UltraでSペンを使って手書きするのもいい。

そしてGalaxy Tab S8 UltraはノートPCのセカンドディスプレイとしても使える。ワイヤレスでPCと接続し、PCの2画面目として使えるため複雑な作業をするときに便利だ。

さらには最近増えているリモート会議やリモート授業でもGalaxy Tab S8 Ultraには利点がある。フロントカメラが1300万画素と高画質なので、自分の顔をしっかりと明るく写すことができるのだ。資料をカメラ越しに見せるときもノートPCのカメラよりも鮮明に写すことができるだろう。

このように最高のタブレットと思えるGalaxy Tab S8 Ultraだが欠点もある。
まずは日本語入力システムが最適化されておらず、外付けキーボードと純正の日本語入力を使うと、日本語の変換候補が画面の下に並んでしまう。
これを解決するにはグーグルのGboardを使うとよいが、DeXモードにすると標準日本語入力しか利用できない。

また本体と一体化する外付けキーボードが英語配列しかなく、日本語配列キーボードは別売されない。記号などの入力時に戸惑ってしまいそうだ。さらに価格はアマゾンで見ると約14万円(2022年7月時点)。ノートPCが買えるほど高価なのだ。

それでも特大画面のタブレットは快適に使うことができる。今までのタブレットではできなかったことが可能になる製品なので、以下の長所と短所を参考に購入を検討してはいかがだろうか?

Galaxy Tab S8 Ultraの長所
・iPad Proより大きい14.6インチ画面サイズ
・複数のアプリを同時に利用できる
・DeXモードでPCのように使える
・PCのセカンドディスプレイになる
・充電不要で使える書き心地の良いSペン付属

Galaxy Tab S8 Ultraの短所
・キーボード接続時など日本語入力にやや難点がある
・純正日本語キーボードは販売されない
・価格が高い

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執筆 山根康宏