アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、懸念のDF陣に手を加えずに新シーズン開幕を迎える可能性を示唆した。

 イングランド代表のソル・キャンベルを放出し、ドイツワールドカップで肩を負傷したフィリップ・センデロスが開幕に間に合わない状況で、ベンゲルはウエスト・ブロムのDFカーティス・デイビス獲得に動いていた。しかしベンゲルは、21歳のデイビスに対し、ウエスト・ブロムが設定する1000万ポンド(約20億円)の移籍金は高額すぎると考えているようだ。

「イングランドでは、才能のある若手を獲得するために多額の資金を用意しなければならない。実績の十分ある選手が獲れるほどの金額が設定されている。場合によっては、我々もそういった資金を捻出することもある。セオ・ウォルコットを獲得したケースのようにね。ただ、いつもそんな資金を用意できるわけではない」

 新戦力の獲得が成立しなかった場合、センターバックの陣容はコロ・トゥーレ、パスカル・シガン、ヨハン・ジュルーの3人のみとなるが、ベンゲルに悲観する様子はなさそうだ。

「新戦力を獲得できるなら、それに越したことはないが、現状で獲得の予定はない。それに、我がチームのDF陣は昨シーズンのチャンピオンズ・リーグで10試合無失点記録を達成したのだ。私は彼らの力を信じているよ」

 デニス・ベルカンプ、ロベール・ピレス、ソル・キャンベルらがチームを去り、本拠地をエミレーツ・スタジアムに移すアーセナル。新時代の幕開けとなる2006-07シーズンに挑む知将ベンゲルは、まずDF陣の整備にその手腕が問われることになりそうだ。