サンプドリアに移籍したクリスチャン・ビエリ(33)の引退が現実味を帯びてきた。27日、イタリアを代表するスポーツ紙ガゼッタ・デッロ・スポルトは「ビエリとサンプ、最後の瞬間」、コリエレ・デッロ・スポルトも「サンプ、ビエリに別れを告げる」との見出しでビエリ引退間近と大々的に報じている。

05−06季開幕前に6年間過ごしたインテルからACミランに移籍。絶対的なエース・シェフチェンコ(29=チェルシー)、急成長を遂げたジラルディーノ(24)の2トップを前に出場機会に恵まれる事無く冬の移籍市場でモナコに移籍。「あと1点で大台の10得点。ぜひ狙う」と語っていたW杯出場に向けての一大決心も虚しく、怪我に泣いた。

99−00季開幕前、ラツィオからインテルへの移籍金は50億円とも60億円とも言われた。当時のローマ法王ヨハネ・パオロ2世が「世の中には貧しい人々が大勢いる。行き過ぎでは」と発言したことで物議を醸したエピソードもある。カルチョ・バブルの主役を張ったビエリ、ここ10年の年俸総額だけで4635万ユーロ(約67億円=ガゼッタ調べ)を稼ぎ出し名実ともに世界の頂点に立った。

ビエリ引退説にサンプドリアGMマロッタは「うちには優秀な攻撃陣が揃っているので」と否定も肯定もしていないが、「ビエリはケーキ上のサクランボ。ただ、熟すのが遅かったが・・・」と引退を匂わすコメントを残している。