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2009年11月にアニソンシーンを代表するアンセム「only my railgun」とともにデビューを果たした、八木沼悟志と南條愛乃から成る第2期fripSide。以降も数々の楽曲とともに2010〜2020年代のシーンを代表するアーティストへと昇り詰めた彼らが、このたび南條の卒業をもって第2期13年の歴史に幕を閉じた。

昨年10月に南條の卒業を発表して以降、今年に入ってからはラストシングル「Leap of faith」とラストアルバム『infinite synthesis 6』をリリースし、4月には第2期最後のツアーとなる“fripSide Phase2 Final Arena Tour 2022 -infinite synthesis:endless voyage-”を開催してきた。愛知、神戸のステージを経て、最後に彼らが辿り着いた第2期最後の地はさいたまスーパーアリーナ。

彼らの13年の歴史を振り返るような壮大なセットとなったこの2日間。オレンジ色に彩られた狂熱の、そして感動の2デイズをレポートする。

2022.04.23――伝説の終わりが幕を開ける



第2期fripSide最後の地は、史上最大のキャパシティとなったさいたまスーパーアリーナのスタジアムモード。さいたま公演初日となった4月23日の時点で、その巨大空間に多くのオーディエンスが詰めかけていたが、そこには開演を待ち望む感情の一方で、fripSide最後のステージが“始まってしまう”ことへの緊張のような、様々な感情が会場を支配していた。そんななか会場が暗転し、ステージ脇の巨大モニターからは2010年にリリースされた1stアルバム『infinite synthesis』収録の「stay with you」とともに、過去のfripSideのMVから切り抜いた南條のいくつもの表情がフラッシュバックする映像が流れていく。そして曲がそのまま最新作『infinite synthesis 6』収録の「stay with you -ver.2022-」へと繋がっていき、曲が終わったところで万雷の拍手が会場を包んだ。いよいよ、第2期fripSideラストライブの初日が幕を開ける――。

そのイントロダクションは、この会場の誰もが知っているであろう、第2期fripSide最初の楽曲にしてアニソンシーンを代表する名曲中の名曲「only my railgun」だった。これまでのライブでは主に本編最後やアンコールの最後に披露されてきた必殺の1曲が冒頭に訪れるという衝撃に度肝を抜かれながら、ステージ後方上段から南條が登場し、「オイ!オイ!」と会場を煽る。ツアーを経てバンドのコンディションも最高潮、そしてライブ1曲目というスタミナたっぷりの状態で披露される「only my railgun」という、実に新鮮な体験をラストライブにできてしまうというのも不思議な話だが、以降の楽曲を聴くと「この曲から始めるしかなかった」というのがわかってくる。

fripSideのライブ史上最も強烈なオープニングを終えたあとに鳴らされた八木沼のシンセに、再び会場がどよめく。続いて披露されたのは、2010年リリースの2ndシングル「LEVEL5-judgelight-」だ。「only my railgun」から「LEVEL5-judgelight-」という、TVアニメ『とある科学の超電磁砲』OPテーマを連発するという贅沢な走り出しから、そこから続けざまにOVA『とある科学の超電磁砲』OPテーマの「future gazer」へと続く。冒頭から『超電磁砲』楽曲が並ぶという驚きとともに、この日のライブが2009年から時系列順に楽曲を披露していく、というのが見えてくる。今回のツアーの、愛知と神戸の公演では『infinite synthesis 6』の楽曲たちを軸に新旧織り交ぜたセットリストとなっていたが、八木沼が神戸のステージで「さいたまスーパーアリーナは“fripSideスーパーベスト”」と明言していたように、この2日間のステージは、ファンが愛してきたfripSideの第2期13年間を2009年から振り返っていくという構成になっていたのだ。



そうした衝撃的かつ濃厚な序盤を経て南條から「こんばんは!fripSideです!」と第一声が。「ついにこの日が来てしまった……本当に来るんだ。私の卒業式ということで、急に緊張してきました」という南條に続き、八木沼が「僕もみんなと一緒で、今日と明日で終わってしまうんだという寂しさでグッときてしまいましたが、最後まで泣かないように頑張ります」と語る。そんなMCのあとは、「everlasting」「trusty snow」とfripSideのもう1つの魅力である切ないメロディが際立つ楽曲が続いていく。しっとりとしたサウンドのなかでの南條のエモーショナルな歌唱はやはり絶品で、そんな歌声に酔いしれていると、「Heaven is a Place on Earth」の穏やかな導入へと続いていく。時系列順といいつつ、流れるような構成はさすがの一言だ。続くMCで「これも久々かもしれないね」と八木沼が語り披露された「way to answer」からは再び攻撃的なセットへと突入。観客は声が出せずとも、以降も「last fortune」「fortissimo -from insanity affection-」とイントロが鳴るたびに得も言われぬ感情が発せられる。観客一人ひとりの思い出がフラッシュバックするような体験ができるのはこうした時系列型セットリストならではの魅力だろう。





そして再度MCを挟んでからのパートは、「whitebird」から始まるエモーショナルな楽曲が続く。直後の「colorless fate」「sky」と第1期の曲も含めて、煌びやかなシンセが舞うなか南條の歌唱も冴え渡るという、あまりに素晴らしいパフォーマンスに酔いしれていると、突然「Dear All」が鳴らされる。『infinite synthesis 6』の最後に収録された、南條からファンへの最後のメッセージが封じ込められたこの曲が中盤に突如登場したことで、ある種歴史を追体験していたオーディエンスは現実に引き戻されたに違いない。あまりに美しいメロディとリリック、そして八木沼を含む演奏も素晴らしい、まさしく“さよならツアー”にふさわしい名曲なのだけど、だけど今この瞬間は切ない……という、最高ながら複雑な感情を抱えたままで前半のセットを終えた。





“原点”に始まり“最新”で終わったさいたまDay1



南條と八木沼が一旦ステージを去ったあとは、バンドによるインストパートがスタート。ここは愛知・神戸両公演でもみられたセットだが、さいたまスーパーアリーナでの2日間ではそこに、fripSide初期から携わるクリエイター/DJ、そして八木沼の右腕ともいえる川粼 海が滞在先のトルコから映像で参加するというサプライズ演出も。バンドによるエネルギッシュなプレイに、八木沼が参加してこのパートがエンディングを迎えるのだが、そのノイズが余韻として残るなかで後半戦の号砲として「sister’s noise」がスタートする。このシームレスな演出も素晴らしく、こちらも「only my railgun」と並んでライブ終盤にドロップされる名曲だけに、会場のボルテージも再びピークを振り切ったような盛り上がりをみせた。しかもそのまま「eternal reality」「black bullet」というアンセムを時系列順に切っていく構成は、この日の冒頭と同じ流れだ。「black bullet」で会場が真っ赤に染まったあとは、美しいバラード「Secret of my heart」で一転して会場が青に彩られる光景が見られた。



直後のMCでは、この日誕生日を迎えたドラマーの八木一美をはじめとしたバンドメンバーを紹介し、南條の力強いタイトルコールとともに「Luminize」がスタート。そこから「Two souls -toward the truth-」「white forces」「1983-shwarzesmarken-」と、攻撃的かつ人気の楽曲たちが続いていく。その攻勢は、この日のクライマックスが近いことを示唆しているようでもあったが、そんな底をついたという予感を吹き飛ばすかのように、MCを挟んでからは「magicaride -version2016-」「Hesitation Snow」「fortuna on the Sixteenth night」とさらなる底を見せてきた。そして本編最後には「Leap of faith」を披露。このツアーから登場した楽曲であり、第2期fripSide最後のシングルであるこの曲のパフォーマンスは、いわばfripSideのライブにおける最新型でもある。原点の「only my railgun」に始まり、最新の「Leap of faith」で終わるという、さいたまスーパーアリーナ2Daysの初日だけを切り取っても、実に美しい構成となっていた。

圧倒的な本編を終えたあとのアンコールは、「We Rise」「final phase」と、こちらも比較的“現在のfripSide”を示す熱っぽいパフォーマンスだった。南條も「私はまだ明日歌うので、『歌いきれ!頑張れ南條さん!』と応援してもらえたら、そのエネルギーが届いて歌い切れると思うので、最後まで応援してやってください!」と語っていたが、ここはまだ第2期fripSideの歴史の折り返し。翌日はその後半、同時に運命の南條愛乃のfripSideとして最後のステージが待っている。





2022.04.24――運命の“卒業式”へ



熱狂の初日を終えた翌日、ファイナルアリーナツアーの本当のファイナルを迎えたさいたまスーパーアリーナ。前日と同じスタジアムモードとなったこの日は、やはりというか、昨日以上の観客が会場を埋め尽くし、運命の瞬間を待っていた。前日の開演前に感じた複雑な雰囲気は変わらず、あるいはそれ以上にエモーショナルな感情が渦巻いているような、改めて不思議な空間が開演前にはあった。そこから会場が暗転し、「stay with you」「stay with you -ver.2022-」とともに過去の映像が流れるという演出は前日と同じ。そこから「clockwork planet」のサビメロディを南條が歌い、いよいよ第2期fripSide最後のライブが幕を開けた。前日は第2期13年の歴史から2016年までの楽曲を聴かせてきたが、この日は2017年から現在までのfripSideという構成。続けてangelaとのコラボ作「The end of escape」のfripSideバージョンへ続くという、これまでのキャリアを出し惜しみなく見せていくというのはこの日も同じだ。

そうしたオープニングを経て、本当のファイナルを迎えた彼らは何を語るのか。最初のMCで南條は「ついに……始まりました。さいたまスーパーアリーナ、Day2へようこそ! fripSide Phase2ボーカリスト、南條愛乃です」と自己紹介すると、八木沼も「いよいよですね、この日がやってきてしまいました。僕らの最高の演奏と歌とダンスで盛り上げて、みんなに笑顔で帰っていただきたいと思います」と語った。“卒業式”当日であるこの朝は冷静に迎えられたという南條だったが、開演前に緊張が一挙に訪れたという。

「でも、最後まで皆さんと楽しい時間を過ごしたいというのが第一なので、一緒に……楽しみましょう!」と南條が宣言したあとは、次の曲「crossroads」へ。アコースティックギターとピアノ、そして南條のボーカルも美しい1曲のあとは、一気にBPMを上げてfripSide最速ナンバー「pico scope -SACLA-」へ。予想外の急アクセルに、会場は熱狂しながらも徐々にピンクに染まるという光景が見られた。そこから「killing bites」とアグレッシブな曲が続き、「divine criminal」へ。時系列順でありながら緩急自在なセットリストが心地よく、改めてfripSideの奥深さというものがわかる序盤だった。



MCを挟んだあとは、アルバム『infinite synthesis 4』収録の壮大なリードトラック「Edge of the Universe」、八木沼のコーラスもいい味わいを聴かせる「under a starlit sky」へと、アグレッシブな流れに会場も大きく揺れる。拳を突き出した南條の姿が印象的だったエンディングからそのまま「BLACKFOX」へ。近年のfripSideのライブにおける最重要ナンバーの1つであるこの曲、相変わらず南條のパワフルな歌唱は素晴らしく、この辺りはまさしく我々がよく知る最近のfripSideのストロングな側面を見せつける格好となった。そこからの、会場がピンクに染め上げられるポップな「Love with You」へと続く。前日は活動初期からの振り返りという流れであったが、この日は2017年からの“現在のfripSide”に近づいていく構成になっている。そして“現在のfripSide”とはすなわち、その終焉が近づいているということを意味している。「Love with You」の歓喜のメロディを耳にしながら、そんな感傷にも似たポップネスを受け止めていた。



涙で包み込まれたさいたまスーパーアリーナ



前日と同じく川粼が参加したバンドインストを挟んで、後半戦は前日のラストを飾った「final phase」から「dual existence」という『超電磁砲T』楽曲を連発、そこからストリングスの音色が印象的な「legendary future」、そして「worlds collide」へと続く。この辺りになると、我々が感じていた感傷にも似た感情を南條も受け止めているのか、感慨深げに会場を見渡す姿が印象に残った。

そこからMCでひとしきり観客とのやりとりを楽しんだあとは、『infinite synthesis 6』からこのツアーのタイトルにもなっている「endless voyage」を披露。このツアー通して感じていたことだが、南條のボーカルは終始よく通るというか、終盤になってさらにパワーアップするような印象を受ける。最新にして現在のfripSideであり、この先の未来を力強く宣言するような歌詞も含めて、ここでの南條のボーカルは絶品だった。そうした現在地を示したうえで披露したのが、「LEVEL5-judgelight-」のカップリングである「memory of snow」。その切ないサウンドと、白く染まった会場があまりにも美しく、そして物悲しく感じられる。そのエモーションを引き継いで披露されたのは、「Leap of faith」カップリングの「passage」だ。『infinite synthesis 6』未収録曲ながら、今のfripSideを示唆する切ないメロディはやはり涙腺を刺激する。そして、そうしたカップリング攻勢を締め括ったのは、「only my railgun」収録の「late in autumn」。最新のカップリングから最初のカップリングへ、現在と過去を繋ぐ構成はお見事……の一言では片づけられない、美しいメロディに反して激流のような感情を呼び起こす。





そして、そんなエモーションの激流の末に披露されたのが、またしても「Dear All」だった。これまで愛知・神戸、そして埼玉初日と、観る者にファイナルという感情を呼び起こすトリガーとなっているこの楽曲だったが、この日はそれがまた特別で、いつものようにステージを歩きながら笑顔で観客に手を振っていた南條が、2コーラス目に入ったところで突如声を詰まらせる。この曲が、そしてこの場がもたらすエモーションを南條自身も受け止めたのだろう――ファイナルという場所に堪えきれず涙するという瞬間が訪れてしまった。そしてその背後にいた八木沼も手で目を拭っていた。これまで同じ時を過ごしてきた2人が、同じ瞬間に見せた涙。それはとてもエモーショナルな瞬間でありながら、本当に第2期fripSideの終焉が近いということを示していた。

直後のMCでは「私しか泣いてないじゃん!みんな泣け〜!」と笑いながら語った南條。八木沼も「俺もうるっときちゃった。まあ、色々ありますけど、なんか音楽ってさ、いいね。最高だね」としみじみ語っていた。そんなほっこりした雰囲気のなかでも、時計の針は刻一刻と“その時”へと向かっている。そうした感傷を振り切るかのようにロッキンな「We Rise」、そしてfripSideの集大成ともいえる「Leap of faith」を披露し、前日から続いていた第2期fripSideの歴史を巡るセットリストを駆け抜けた。

そしてその先に待っていたのは、2014年リリースのアルバム『infinite synthesis 2』より、fripSideを象徴するタイトルを冠した「infinite synthesis」だ。神戸公演でも披露されたこの曲だが、途中で南條がくるりと客席に背を向ける。その瞬間、ステージ後方には2つのシルエットが。そう、第3期fripSideのボーカリストである上杉真央と阿部寿世が登場したのだ。思わぬサプライズに会場がどよめくなか、南條、上杉、阿部というトリプルボーカルによる「infinite synthesis」が鳴らされていく。巨大スクリーンには、緊張の面持ちながら笑顔で伸びやかなボーカルを聴かせる阿部、真剣な表情で凛とした歌声を届けようとする上杉、そしてそんな2人を優しく包み込むように顔を見合わせる南條――3人の声が重なり合う。それは、かつて南條が初代ボーカリスト・naoからfripSideのボーカルを継いだときと同じように、南條から第3期ボーカリストたちへ、fripSideのマイクの継承の場でもあった。曲が終わって南條が「第3期のお二人が来てくれました!」と二人を紹介したあとは、上杉と阿部、そして3期プロデューサー・八木沼による自己紹介もあり、第3期fripSideの初お披露目となった。「緊張しているなか申し訳ないけど、歌ってもらっていい?」と南條らしい言い方で2人にステージを任せたあとは、残った上杉、阿部による最新シングル「dawn of infinity」へと続いていく。八木沼によるアタックの強いfripSideサウンドをバックに、上杉と阿部のフレッシュな歌唱が自身のダンスを交えて展開されるステージは、我々がこの先見つめるであろうfripSideの新たな夜明けとなってさいたまスーパーアリーナの巨大空間に鳴り響いた。







第2期fripSideの13年、その終幕



これまでを振り返りながら、そしてその先の未来を見た――そんなライブの終盤戦。会場のモニターには再び映像が流れた。これまで南條が過ごしたfripSideでの日々がフラッシュバックするなか、第2期の最初期に作られた楽曲「prism」が流れ始める。どこかあどけなさが残るような、南條の甘い歌声と切ないメロディが鳴り響くなか、映像はやがて舞台袖で待機している“現在の南條”を映し出した。そして彼女がステージに向かってゆっくりと歩を進めていく。彼女が観客と、そしてfripSideと過ごす最後の時。

彼女が卒業を発表したときから繰り返し語っていた、「笑顔で最後を迎える」という言葉通り、再びステージに立ったその表情は晴れ晴れとした宣言通りの笑顔で、そして悔いなくこのステージを去るという強い決意が感じられるようだった。その想いを讃えながら鳴らされたのは、「black bullet」の爆発的サウンドだ。最後まで熱く、fripSideらしく盛り上がって終わる――。そんな強い意志は、八木沼、そしてバンド勢にも伝播したかのうようで、続く「when chance strikes」でも実に熱いパフォーマンスが展開される。まさに第2期fripSideの絶頂がこの瞬間にあった。

そして、南條による「最後まで走りきれますように」という言葉が現実味を帯びるなか、いよいよ最後のブロックへと突入する。「南ちゃんと俺で相談して決めて、ここでこの曲にしようと」と八木沼が話していた「Heaven is a Place on Earth」を披露したあとは、「LEVEL5-judgelight-」へと続く。そして、本当に最後の曲に――そう、第2期fripSIdeの最後にはやはりこの曲しかないだろう、「only my railgun」が会場に鳴り響いた。ここでの熱気はやはりすさまじく、観客も思い起こすことのないよう、声こそ出せずとも全力でオレンジのペンライトを振る。またしても会場が大きく揺れたような感覚を覚えながら、あっという間にエンディングを迎えた……かと思ったら、再び「only my railgun」のイントロが流れ、「もうちょっとだけ歌わせてくださーい!みんなも今日全部出し切って!」と南條が叫ぶ。そこから再度ギターソロから始まるという、久々に披露した“増量バージョン”だ。最後までfripSideらしい物量とサービス精神、そして笑顔が会場を包み込み、長きにわたる第2期fripSideの活動はここに幕を閉じた。



すべての演奏を終えたあと、マイクを握った八木沼は観客をはじめとした様々な人たちに感謝を述べたあと、南條のほうを向き時折声を詰まらせながら、「南條愛乃さん、不甲斐ないプロデューサーでしたがありがとうございました」と発する。八木沼が理想とする“最高のボーカリスト”との別れは、fripSideといえどもやはり笑顔ではなく、涙とともにあった。そして最後にマイクを握った南條は「この13年間、fripSideでたくさんの楽曲を歌ってきました。本当にパワーをもらえる曲いっぱいあると思うし、みんなもそれを聴いて頑張ってくれた日々もあると思うし、皆さんの青春を第2期fripSideに預けてくれてありがとうございます。今、とっても幸せです」と語る。その表情は笑顔でありながら、やはりどこか寂しげな、でも大きなものを成し遂げた達成感に満ちたものだった。



かくして13年間続いた栄光の第2期fripSideは、南條と八木沼による「fripSideでした!」という、いつもの挨拶で幕を閉じたのだった。

新たな時代の幕開けとなった2000年代の終わりに産声を上げ、以降13年にわたってアニソンシーンを牽引してきた八木沼悟志と南條愛乃。今後、八木沼は第3期fripSideを率いて、南條も今年10周年を迎えるソロ活動を続け、それぞれの道を進むこととなる。しかし八木沼も語っていたように、我々が過ごし、愛した13年間という輝きは決して消え去るものではない。ツアーのタイトルにもあるように、この航海に終わりはないし、その輝きは永遠だ。だからこそ今、我々はこの奇跡のような2日間を大切に胸にしまい、笑顔で彼らに「さよなら」と手を振っていくのだ。

TEXT BY 澄川龍一

PHOTOGRAPHY BY中村ユタカ、伊藤真広、井澤詩織

fripSide Phase2 Final Arena Tour 2022 -infinite synthesis:endless voyage-

【Day1】2022/04/23(sat)@さいたまスーパーアリーナ

<SET LIST>

M01 only my railgun

M02 LEVEL5-judgelight-

M03 future gazer

M04 everlasting

M05 trusty snow

M06 Heaven is a Place on Earth

M07 way to answer

M08 last fortune

M09 fortissimo -from insanity affection-

M10 whitebird

M11 colorless fate

M12 sky

M13 Dear All

<BAND INST 2015ver.>

M14 sisterʼs noise

M15 eternal reality

M16 black bullet

M17 Secret of my heart

M18 Luminize

M19 Two souls -toward the truth-

M20 white forces

M21 1983-schwarzesmarken-

M22 magicaride -version2016-

M23 Hesitation Snow

M24 fortuna on the Sixteenth night

M25 Leap of faith

EN01 We Rise

EN02 final phase

【Day2】2022/04/24(sun)@さいたまスーパーアリーナ

<SET LIST>

M01 clockwork planet

M02 The end of escape

M03 crossroads

M04 pico scope -SACLA-

M05 killing bites

M06 divine criminal

M07 Edge of the Universe

M08 under a starlit sky

M09 BLACKFOX

M10 Love with You

<BAND INST 2021ver.>

M11 final phase

M12 dual existence

M13 legendary future

M14 worlds collide

M15 endless voyage

M16 memory of snow

M17 passage

M18 late in Autumn

M19 Dear All

M20 We Rise

M21 Leap of faith

M22 infinite synthesis

M23 dawn of infinity

<VTR>

M24 black bullet

M25 when chance strikes

M26 Heaven is a Place on Earth

M27 LEVEL5-judgelight-

M28 only my railgun

●ライブ情報

fripSide Phase2 Final Arena Tour 2022 -infinite synthesis:endless voyage-

全会場:全席指定(¥9,900 税込)

・2022年04月02日(土)【愛知】愛知県国際展示場ホール( 開場14:30/開演16:00)*終了

・2022年04月09日(土)【兵庫】神戸ワールド記念ホール(開場14:30/開演16:00)*終了

・2022年04月23日(土)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ (開場15:30/開演17:00)*終了

・2022年04月24日(日)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ(開場14:30/開演16:00)*終了

●番組情報

fripSide ツアーファイナル2カ月連続放送

fripSide Phase2 Final Arena Tour 2022 -infinite synthesis:endless voyage-

@さいたまスーパーアリーナ Day 1:7月放送・配信

@さいたまスーパーアリーナ Day 2:8月放送・配信

※放送日時は確定次第、番組サイト等でお知らせします

※いずれも放送同時配信および放送終了後からのアーカイブ配信あり

※この番組はWOWOWオンデマンドの無料トライアル対象外です

収録日:2022年4月23日、24日

収録場所:埼玉・さいたまスーパーアリーナ

番組サイトはこちら

『fripSide Phase3 第1弾シングル「dawn of infinity」発売記念スタジオライブ&トーク特番』

放送日時:2022年5月17日(火)21:00〜

放送チャンネル:ABEMAアニメチャンネル

番組詳細はこちら

出演者:fripSide(八木沼悟志、上杉真央、阿部寿世)

MC:青木佑磨

●リリース情報

fripSide Phase3 第1弾シングル

TVアニメ『魔法使い黎明期』OPテーマ

「fripSide/dawn of infinity」

2022年5月18日発売

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】



品番:GNCA-0667

価格:¥1,980(税込)

【通常盤(CD)】



品番:GNCA-0668

価格:¥1,320(税込)

「dawn of infinity」先行配信中!

配信はこちら

<CD>

01. dawn of infinity(TVアニメ『魔法使い黎明期』オープニングテーマ)

02. Regeneration

03. dawn of infinity<instrumental>

04. Regeneration<instrumental>

<Blu-ray>

・dawn of infinity MV

・dawn of infinity MV Making

・SPOT

『infinite synthesis 6』

発売中

南條愛乃卒業に際し、第2期fripSideの集大成となるニューアルバム。

ナンバリングを続けたアルバムタイトル「infinite synthesis」シリーズ第6弾。

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】



品番:GNCA-1610

価格:¥5,830(税込)

【初回限定盤(CD+DVD)】



品番:GNCA-1611

価格:¥5,830(税込)

【通常盤(CD)】



品番:GNCA-1612

価格:¥3,300(税込)

<CD>

1.stay with you -ver.2022-

2.Leap of faith(TVアニメ「失格紋の最強賢者」オープニングテーマ)

3.endless voyage

4.legendary future(TVアニメ「キングスレイド 意志を継ぐものたち」オープニングテーマ)

5.Your breeze

6.for Seasons(WEBアニメ「Sapreas」主題歌)

7.worlds collide(「とある魔術の禁書目録 幻想収束」第2期オープニングテーマ)

8.The wind in your heart

9.faraway sky

10.With falling snow

11.preparedness star

12.on this night

13.regret

14.Dear All

<Blu-ray/DVD>

・「endless voyage」MV(新曲)

・「endless voyage」MV Making

・fripSide Phase 2 : 10th Anniversary FINAL in YOKOHAMA ARENA(約1時間に編集した映像)

・インタビュー映像

・SPOT

音楽配信サービスはこちら

リスアニ!WEB『infinite synthesis 6』リリースインタビューはこちら

●本誌情報

「リスアニ!Vol.47.2 fripSide音楽大全」

発売中



定価(紙版):¥1,760(本体:¥1,600+税10%)

発行・発売:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ

定価(電子版):¥1,650(本体:¥1,500+税10%)

Reader Store、Kindleストアほかにて電子版販売中!

詳しくは各ストアをご確認ください。

※電子版に付録CDは付きません

【内容】

・新規撮りおろしロングインタビュー

・リスアニ!掲載インタビューアーカイブ

・バンドメンバートークセッション:八木一美(ds)×大島信彦(g)×星野 威(g)×キタムラユウタ(b)

・クリエイター鼎談:八木沼悟志×川粼 海×齋藤真也

・西村 潤(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)×石原裕久(CAREVE) 対談

・西村 潤(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)インタビュー

・MVヒストリー

・楽曲レビュー

・年表

ほか

【特別付録】

未発表音源を収録したCD

関連リンク



fripSide 公式サイト

http://fripside.net/

fripSide NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン公式サイト

https://nbcuni-music.com/fripside/

八木沼悟志 公式Twitter

https://twitter.com/sat_fripside

南條愛乃 公式Twitter

https://twitter.com/nanjolno

fripSide official fan club「freakSide」公式Twitter

https://twitter.com/fripSide_FC