眺めのいい2階リビングの家。40代夫婦それぞれのワークスペースも
妻の実家を建て替えて、都心のタワーマンション暮らしから、ご近所との交流と田園風景が楽しめる暮らしに切り替えたという40代夫妻。高い天井のLDKや夫婦それぞれのワークスペースなど、こだわりが詰まった戸建住宅が実現しました。
こだわったのは、高い天井のLDKと玄関横の土間空間
Sさんの家 千葉県 家族構成 ／夫40代 妻40代
設計・施工 ／積水ハウス
Sさん家のこだわりポイント
「大きな窓から目の前に広がる田園風景を眺めていると、気分転換になるし、都内では見ないさまざまな野鳥が庭木に遊びに来てくれます。夜も満天の星空が眺められるんですよ」と新居での暮らしを楽しんでいるのは、妻の実家を積水ハウスで建て替えたSさん夫妻。
都心のマンション暮らしに満足していた夫妻が、千葉県ののどかな環境に暮らすことになった理由は、妻の両親が暮らしていた家の庭木の手入れに通ううちに「ここに暮らすのもいいかも」と思ったそう。IT系企業に勤め、コロナ禍前からリモートワークが多かった夫の賛成もあって、実家の建て替えを決心しました。
「おもな要望は2つ。夫婦のワークスペースと、高い天井の開放的なLDKをつくってほしいということでした。また、妻の希望としては植栽を残すことと、建て替え前の家にあった造作家具を生かしてほしいということ。満足いく住まいができました」（夫）。
もうひとつ夫妻が強く要望したのは、1階和室に続く土間の存在。玄関から段下がったタイル貼りの土間は、内と外の境界のような空間です。
「昔ながらの近所づき合いがある土地で、外出から戻ると玄関前に野菜が置かれていることも多いんです。ご近所さんが訪ねてきたときに、気軽に応対できる土間は必須です」（夫妻）。
思いどおりにでき上がった住まいで、温かいご近所づき合いが始まります。
田園風景を楽しむ、屋根勾配を生かした高い天井のLDK
屋根勾配を生かした高い天井が心地よいLDK。天井まである大開口の向こうに、のどかな田園風景が広がります。
天井のいちばん高い棟の部分には、間接照明が取りつけられ、空間を穏やかに照らします。写真左手に見えるキャビネット（ヒラシマ製）の中央には、バイオエタノール暖炉が。炎が楽しめる暖房器具です。
リモートワークにも対応する、夫婦のワークスペース
リビングの一画に区切られたスペースがあって、そこが妻のワークスペースとなっています。
天然石などを使ったアクセサリーをつくっていて、ネット販売でも大好評。
「田園風景が見えるので、根を詰めた作業でもいい気分転換になります」（妻）
1階和室の北側には夫の書斎兼ワークスペース。
「小さい空間でかまわないので、忍者屋敷のようにしてください」という夫の要望で、和室への扉が設けてあります。
ご近所との交流の場としての土間
客間として使われる1階和室。庭側には来客をもてなす場としての土間がひかえています。「近所の人に気軽に来てもらえるようにしたいですね」（妻）。
「対面式でワークトップの広いキッチンはハンドメイドのシンクが広くて使いやすくなり、不思議と食洗機を使わなくなりました」（妻）
「空間の完成度はもちろん、担当者がこちらの目線に立ってくれて、細部まで納得の家づくりでした」（夫）
両親が愛した樹木や家具を生かした家づくり
「建て替え前に庭いじりをしていたら、ご近所さんが声をかけてくれたことも移り住む動機になりました」（妻）
両親が近所の人を招いていた、東屋の跡をタイルでかたどったアプローチ。
建て替え前の家から移した造作家具はギャラリーに。「目につくところに、思い出のある家具があるとほっとします。別のハウスメーカーのものなのに、イヤな顔をせずに対応してくれて、担当の方にはとても感謝しています」（妻）
配置図と間取図
DATA
敷地面積／526.44�屐�159.53坪）
延床面積／147.86�屐�44.81坪）
1階／74.00�屐�22.42坪）
2階／73.86�屐�22.38坪）
用途地域／第1種低層住居専用地域
建ぺい率／60％
容積率／150％
構造／木造軸組工法
竣工／2021年9月
素材
[外部仕上げ]
屋根／スレート
外壁／陶板外壁
[内部仕上げ]
1階 床／フローリング 天井／クロス
2階 床／フローリング 壁／クロス、一部タイル張り 天井／木質うづくり天井材
設備
厨房機器／永大産業
衛生機器／TOTO
窓・サッシ／LIXIL
設計・施工／積水ハウス
※情報は「住まいの設計2022年2月号」取材時のものです
