バス、トイレ、洗面のトレンド&コロナで売れたものは?設備メーカーに聞く
新型コロナウイルス感染症の流行やSDGsの高まりを背景に、バスやトイレ、洗面へのニーズは多様化。快適さやデザイン性はもちろん、「だれにとっても使いやすい」「環境への負担が少ない」といった、高い付加価値がある商品が支持されるように。トレンドの最前線を探ろうと、各メーカーの担当者にアンケートを実施。新築やリフォームを考えている方は、参考にしてください。
Q1.最近のトレンド、ユーザーの購買傾向は?
A.キーワードは、自動・除菌・節水の3つ。バスルームはシンプルな空間が人気
快適化への要望と衛生意識の高まりから、水回りに対して「自動・除菌・節水への関心度が高まっている」(TOTO)そう。たとえば、トイレはオート開閉やオート洗浄などの機能が人気を集めるほか、「しっかり手を洗うため手洗いを別に設置する人が増え、タンクレスタイプの比率も増えている」(パナソニック)との回答が。
バスルームについては、「リラックス・リフレッシュを求める」(TOTO)人が増加。「シンプルな空間を好む傾向が強く、カウンター(洗面器置き台)のないタイプ」(パナソニック)や「クリーンで高い蓄熱性をもつホーロー商品」(タカラスタンダード)が人気を集めているようです。
Q2.人気のアイテムやサービスは?
A.トイレはタッチレス機能、バスルームは掃除の負担軽減に注目集まる
トイレの機能で支持を集めるのがタッチレス機能。「売れ筋の『アラウーノS160シリーズ』の中でもいちばん人気はオート開閉機能搭載タイプ」(パナソニック)。
一方、バスルームは「水アカや汚れをはじく『スゴピカ』素材や床の隅に目地がない『スミピカフロア』」(パナソニック)、「床を自動洗浄する『床ワイパー洗浄(きれい除菌水)』や『お掃除ラクラクほっカラリ床』」(TOTO)など、きれいを保つ機能が高評価。「繊細なパネル柄のホーロー浴槽『プレデンシア』が人気」(タカラスタンダード)なのも、美しさ×清潔さが支持されてのこと。
洗面の傾向も同様ですが「北欧調洗面化粧台が人気」(アドヴァングループ)という回答もあり、デザインの好みも多様化しているよう。
●お掃除機能のほか基本機能充実の「アラウーノS160シリーズ」(パナソニック)。
●使いやすさや収納力も人気の「モビリスタ フロート(壁づけ)」(アドヴァングループ)。
Q3.SDGsを意識したアイテムは?
A.地球にやさしい節水と、保温機能のある商品が充実
「従来型シャワーより約35%の節水となる『W水流シャワー』」(パナソニック)、「少量の水で便器を洗浄する『ネオレスト』やシャワー穴の加工で節水を可能にした『コンフォートウェーブシャワー』」(TOTO)など、各社、節水機能が充実。
また、エコやCO2削減という点では、「2重断熱構造で長時間お湯が冷めない『魔法びん浴槽』」(TOTO)など省エネに直接貢献する商品だけでなく、「輸送効率向上の点でも陶器ではない『アラウーノ』の軽さへの評価が高まっている」(パナソニック)そう。
●浴び心地と節水性を両立させた「W水流シャワー」(パナソニック)。
●高断熱浴槽「魔法びん浴槽」の断熱構造(TOTO)。
●高断熱浴槽「魔法びん浴槽」の施工例(TOTO)。
Q4.コロナの影響で売れた商品は?
A.洗面ではタッチレス水栓や、壁かけトイレに関心が集まる!
衛生意識が高まる中、洗面では「タッチレス水栓が好評」(タカラスタンダード)。トイレでも「お手頃価格でタッチレスニーズに対応している『アラウーノS160シリーズ』」(パナソニック)や、「便器が床から離れていて掃除がラクな壁かけトイレ『FD』(TOTO)が人気。
一方、バスルームでは、「『リゾートバブル』や『酸素美泡湯』など浴槽快適機能の搭載率が上がっている」(パナソニック)、「システムバスルーム『シンラ』の“楽湯”や“調光システム”に興味を持たれる方が増加」(TOTO)と、おうち時間が増えバスタイムに癒やしを求める傾向が強まっているようです。
●空間にゆたりをもたらす壁かけトイレ「FD」(TOTO)。
Q5.家づくりを始める人へのアドバイスは?
A.長年使うものだからこそ、機能だけで選ばずに、実物に触れてほしい
「価格やデザインだけでなく、肌触りや使い心地を大事に」(アドヴァングループ)するためには、やはり、「商品選定の際には、ショールームで実物を見て体感いただくのがおすすめ」(TOTO)。
確かに、「便器の洗浄力の高さやトイレを使ったあと、しっかり石けんで手を洗えるトイレルームにすることが大事」(パナソニック)というのも、実際に試してこそイメージができるもの。
また、機能性だけでなく「長年使うものですので、日々の入浴が楽しめるお風呂選びをしてほしい」(パナソニック)という回答もありました。バスやトイレになにを求めるか、こだわりを持って選ぶのがやっぱり大切なよう。
※情報は「住まいの設計」2022年4月号取材時のものです