激務の夫とセックスレスに陥った菜々子さん(仮名・32歳)。親族の前で子どもができないことを義母に責められ、夫婦関係にも決定的な溝ができてしまいました。そんな菜々子さんは、マッチングアプリに登録し、夫以外の男性に癒しを求めた結果、心にゆとりができたといいます。「浮気ではなく一時的な逃げ道」と語る切ない胸の内とは? 読者に取材したセックスレス実話シリーズです。

「子どもはいらない」夫の本音を知った妻。家庭外に癒しを求めて…

私たちがセックスレスに陥っている原因は夫です。なのに、私がみんなの前で責め立てられるなんておかしい!

「自分の母親なんだから、どうして私たちに子どもができないのか、自分で説明してよ」と夕方、帰宅した夫に大声で怒鳴ってしまいました。すると夫は「ごめん」と謝り、「デリカシーのないことをみんなの前で言わないように言っとくよ」と言ってきたのです。

「そうじゃなくって、セックスレスの状況をなんとかしてよ!」とぶちまけたのですが、いきなり「自分は、子どもがいなくてもいいと思ってる。その方が老後もゆとりを持って暮らせるし…」と言われて言葉を失いました。

この人はもうセックスする気がないんだ…。子どももいらないんだ…。

方向性の違いが決定的になってしまったショックで、頭が真っ白に。なにも言い返すことができませんでした。

●女として否定された気がした

思えば学生気分のノリで結婚し、将来の家族構成について、夫と真剣に話し合う機会はほとんどありませんでした。愛がないわけじゃないけれど、セックスしている余裕はないというのが夫の言い分。

仕事が忙しいとか、体が疲れているというのは実際事実だと思うのですが、そこにつけて子どももいらないと言われてしまうと、これからどう生きていけばいいの? と人としても女としても否定されたような、目の前が真っ暗になる感じがしました。

●癒しを求めてほかの男性と…

もう一生、セックスができないのかもしれない。考えれば考えるほど、胸が苦しくなるような日々が続きました。
ふと魔が差したというより、だれでもいいから…とすがるような気持ちでマッチングアプリに登録し、そこで知り合った男性と会ってしまいました。自分が結婚していることや家庭を壊す気はないこと、アレコレこちらの都合だけを一方的に伝えてみたところ、意外にも向こうはすんなり受け入れてくれたのです。

●これは浮気?証拠は絶対残さない徹底ぶり

電話やメール、LINEなどは決まった時間に必要最低限の連絡だけ。こんな事務的に私の都合に全面的に合わせてくれる男性がいることに驚きました。スマホのやり取りはすぐに消すように徹底。セックスレス以外で夫に不満があるわけではないので、外でほかの男性と会うことで、私は心のバランスをとっていたのです。
以前より、夫に優しくできるようになったし、義母に孫の話をされても明るく受け流せるようになりました。

一度だけ、アプリの男性と会ったあとに家に帰ると夫が珍しく帰宅していてドキっとしたことがありました。香水の匂いがするかも…!
しかし、キスもハグもない生活。服にほかの人の香水の匂いがついていても、夫はまったく気がつきませんでした。これってドラマや映画で男女逆のパターンだったら絶対、奥さん浮気に気がつく場面ですよね。夫婦間の触れ合いのなさに、罪悪感よりも悲しさがありました。

夫のことを好きな気持ちは変わらないからこそ、これは一時的な逃げ道…と自分に都合よく言い聞かせていたのですが、30代になり、だんだんとこんなことをしている虚しさを感じることが増えていきました。

そして菜々子さんは夫との離婚を決意。この続きは明日公開する記事でご覧になってください。