老後資金への備えとしても最適なiDeCo。とはいえ、いざ始めるとなると、ややこしいことや面倒な手続きがあるのでは? そこで今回はお金のプロ、ファイナンシャルプランナーのいちのせかつみさんを直撃。やさしくわかりやすく、iDeCoの始め方を教えてもらいました。

今すぐできる!簡単iDeCoの始め方

税制面でのおトクがたくさんあるiDeCoは、利用しないとソンする制度。まずは少額からでよいので、老後資金のために始めてみましょう。

 

●始める前のチェックリスト

□加入対象者かどうかを確認する

20〜60歳(※1)が加入できますが、国民年金保険料の未納・免除者は対象外。また、勤務先にiDeCoとよく似た「企業型確定拠出年金」があり、加入を認められていない人も(※2)

(1) 今年5月から20〜65歳
(2) 今年10月からは本人の意思で自由に加入可能

 

□年金番号を調べる

加入には、公的年金加入者全員がもつ「基礎年金番号」が必要。年金手帳などのほか、日本年金機構の「ねんきんネット」で調べることが可能。会社員は勤務先に問い合わせてもOK。

 

●STEP1:金融機関を決める

・金融機関を選び、口座を開設する

銀行、証券会社、保険会社など、さまざまな金融機関で相談できます。「魅力的な商品があるか、顧客サービスなどが充実しているかなど、確認して選びましょう」

<選ぶときの3つのポイント>

(1) 希望の商品はあるか?
(2) サービスは充実しているか?
(3) 手数料はどのくらいか?

●STEP2:かけ金を決める

・初めは最低額でOK。慣れてきたら手取りの5〜10%をめどに

かけ金には上限があり(下に記載)、月5000円以上1000円単位で設定できます。「最初は5000円で、慣れたら手取りの5〜10%に増額を。収入に合わせてかけ金を調整しましょう」

<「働き方」で上限額が異なるので注意!>

【第2号被保険者】

会社員 確定給付企業年金(DB)あり 1万2000円/月(14万4000円/年)
企業型確定拠出年金(企業型DC)のみあり 2万円/月(24万円/年)
企業年金なし 2万3000円/月(27万6000円/年)

公務員 1万2000円/月(14万4000円/年)

【第1号被保険者】

自営業・フリーランス学生など 6万8000円/月(81万6000円/年)

【第3号被保険者】

専業主婦(主夫) 2万3000円/月(27万6000円/年)

●STEP3:商品を選ぶ

・「元本確保型」と「元本変動型」の2種類から選ぶ

元本が確保されている元本確保型(定期預金など)と、運用によって増減する元本変動型(投資信託など)から選択。「長期運用で増やしたいなら、投資信託がおすすめ」

<どうしても不安な人は「元本確保型」を!>

絶対に元本割れしたくない人は、預貯金を選ぶのも1つの方法。「利息はほぼつきませんが、かけ金が控除されるメリットはあります」

老後を豊かに過ごすためにも、どんな準備をしておくのか、今のうちからきちんと計画を立てておくことが大切です。先延ばしにせず、将来の人生設計とお金のことを、一度じっくり家族で話し合ってみてもいいかもしれません。

この特集は2022年1月11日現在の内容です。投資は元本割れのリスクがあるため、自己責任のうえで投資してください。