SNSで人気のファッションイラストレーター・珍田さんと、ライターの野田春香さんがタッグを組んだ連載!「こんなときどんな服を着ればいいかわからない」のあるあるなお悩みに合わせたアイテムやコーディネートを、30〜40代の今を生きる3人の個性豊かな女性の日常とともに紹介していきます。

【今回の主人公は、ベーシックな服装が得意の“ミキ”】

40歳のミキは埼玉に暮らす専業主婦。夫、中1の息子、小4の娘、義母と同居中。近所のケーキ屋さんで週3パート勤務。158cm、標準体型。やさしげなオーラがありだれからも親しまれるがそれが裏目に出て舐められることも。どんな場にも対応できるベーシックな服装が得意。地味になりがちなことが悩みです。

金ボタンジャケットなら、フォーマルな場も日常にもなじんで華やか

第6回は「ジャケット」の着回しです。保護者の必需品とも言えるジャケット。でも、着るシーンが少ないともったいない気も…。せっかく買ったなら、普段から楽しみましょう!

●入学式編:お祝いの場はジャケットを主役にスカートで盛り上げて

【4/7 木曜日 AM9:30 息子の入学式】

ミキ:中学一年生になる息子の入学式。学校によっては色味など暗黙のルールがあるけど、うちの中学はとくに決まりごとはない。しかも、小学校からメンバーがほとんど変わらないから、保護者の顔ぶれもこの間の卒業式とほとんど同じ…となると、卒業式で着た服で行くわけにいかないし、入学式のためだけにスーツを新調するのももったいない。

困っていたところにインスタグラムでイラストレーターさんがアップしていたジャケットコーデが目に留まる。そうか、ジャケットだけでもフォーマル感は出せるし、華やかなスカートを合わせればスーツで行くよりも華やかでお祝いの式典にぴったり。

というわけで新調した紺ブレを着て入学式へ。紺ブレはゴールドのボタンで華やかさが出るし“あえてこれを選んで着てます”って感じがいいよね。シンプルなジャケットより自信がもてる。地味な装いになりがちな私にもうれしい!

スカートでさらにお祝いらしさをアップ。春らしいブルーのマーメイドスカートを合わせちゃった。歩くたびに揺れる様もエレガントでいい感じ。体育館は寒いと卒業式のときに学習したからトップスはニット。リブニットならコーディネートにメリハリが出る。胸元があいたものでよりドレス感をアップさせて。

すでに思春期の息子。一緒に歩かずサッサと先に行っちゃうけど、親離れしていく成長を感じられて微笑ましいんだ。さみしくはあるけれど、嫌じゃない。

●日常編:デニムと合わせてトラッドな装いに

【4/9 日曜日 PM5:30。娘のバレエのお迎え前に、ママ友たちとお茶】

娘のバレエ教室のママ友たちと月イチ恒例のお茶会。正直に言うとこの会が少し苦手…。会話の内容が生活レベルを伺うような質問や収入のマウント、どれだけ旅行をぜいたくしたかの自慢合戦だったりするから。

でも、知らない情報が手に入るし、感じのいいママもいる。存在感を消して1時間我慢して座っていればいいだけ。仲間内でのメンツを気にする娘のためにも参加し、私が話さないとおかしい番になったら、みんなに質問をして答えを求めることにしている。

みんなさりげなくオシャレをしてくるので私も気を抜けない。この間買った紺ブレがピシッと見えるし私らしくもあるし、今日はこれ。

ジャケットの下はいつものテーパードデニムに、白のボートネックのカットソー。ボーダーや赤もマリン風でかわいかったけれど、目立ちたくない会だからシンプルな白を選択。ベルトとローファー、メガネに時計と、小物でトラッドに寄せればかなりピシッとする。キャンバスのトートバッグで親しみやすさを。

こういう装いは娘はあまりほめてくれないけれど、ママ友たちには「そういうの似合っていいですよねぇ」と言われがち。ほめてるのか皮肉なのかは分からないけれど、コメントしてもらえるだけありがたい気もする。今日も私が喋った時間は正味30秒くらい。私、なんで毎回呼ばれるんだろな…。

●今回のキーアイテム:紺ブレ

ジャケットはフォーマルで苦手という人も、金ボタンのものなら挑戦しやすいはず。ジャケット必須の場面でも“着なきゃいけない服”から“着たくなる服”になるはずです。シェイプしていないストンとしたブレザータイプを選ぶのが今っぽく見えるポイント。

季節もトレンドも気にせず着られるのは紺ですが、ダークカラーのものを色々持っているならベージュ×金ボタンもおすすめ。