つみたてNISAとiDeCo、どちらを始めるべき?老後資金のためにできること
毎日の家計のやりくりだけでも必死なのに、住宅ローンや子どもの教育費、そして将来の老後資金…。お金の不安はきりがありません。そこで今回は、知っているだけでも少し安心する、おトクな“お金の話”を、ファイナンシャルプランナーのいちのせかつみさんに教えてもらいました。
iDeCoは老後資金を貯めたい人にピッタリの制度
人生100年といわれる今、老後は60〜100歳までの40年間!
「20〜60歳まで働く場合、同じ40年間で老後資金まで貯めなければなりません。そのためには資産を運用し増やす必要が。税金面でおトクの多いiDeCoは、ピッタリの制度です」
●Q:iDeCoってなんですか?
A:もうひとつの年金です
今後よほどのことがない限り、公的年金は上がりません。これからは自分で上乗せ年金をつくる時代。そのために政府が用意した制度がiDeCo。公的年金が天引きされるのと同じ感覚で、先取りで確実に積み立てましょう。
●Q:メリット・デメリットは?
どんな目的にも使えるつみたてNISAと違って、iDeCoは老後資金が目的。使い方を間違えないように、特徴をきちんと理解して。
<メリット>
・積み立てるだけで税金が安くなる
iDeCoは、積み立てるだけで税金が安くなるのが特徴。「年間の所得からiDeCoのかけ金を引いた額が課税対象に。所得税と住民税ダブルで節税効果があります」
・利益が出ても税金がかからない
つみたてNISA(投資初心者用に国が用意した制度)と同じく、投資で得た利益は非課税になります。「さらに、貯めたお金を老後に受け取るときも、公的年金や退職金と同じように所得控除が受けられます」
<デメリット>
・原則60歳までは引き出せない
公的年金と同じく、iDeCoも60歳まで引き出せません。「逆に言えば、途中で使い込む心配がないということ。かけ金は年1回変更できるので、家計が苦しいときは減額で対応を」
・ソンする場合もある
投資先は預貯金、投資信託、保険から選択。「商品によっては、元本割れのリスクはあります。引き出し期間は60〜69歳※なので、その間の価格上昇のタイミングを狙って」
今年4月から75歳まで
●Q:つみたてNISAとiDeCo、どちらを始めるべき?
A:どちらも始めましょう
どちらにも長所、短所があるので、両方とも始めるのが正解。「双方の非課税制度を上手に活用し、バランスよく運用しましょう。お金の勉強のために、まずはソンしてもよい額で始めることが大切」
<iDeCo>
・利用期間 60歳まで
・引き出し 60歳以降
・月の積立額 会社員は最大2万3000円※
・税金メリット
積み立て時:○
運用時:○
受け取り時:○
企業年金の有無などにより異なる
<つみたてNISA>
・利用期間 制限なし
・引き出し いつでも自由
・月の積立額 約3万3000円
・税金メリット
積み立て時:×
運用時:○
受け取り時:×
まだまだ先のことかもしれませんが、確実に訪れる老後資金問題。できることから早めに準備しておくと安心です。今回の記事を参考に、一度、将来を見据えたマネープランを立ててみませんか。
この特集は2022年1月11日現在の内容です。投資は元本割れのリスクがあるため、自己責任のうえで投資してください