70代、暮らし上手の生活の工夫6つ。あきビンや牛乳パックも余さず使い倒す
SDGsが叫ばれるなか、自然にやさしい生活がより注目されるようになっています。無理をせず、環境に寄り添った生活を実践するにはどうしたらいいのでしょうか。そこで、『別冊天然生活 エコでやさしい暮らし』(扶桑社刊)の中から、自然体で楽しむ暮らしの知恵を発信する70代の坂井より子さんが実践する、生活のルールをご紹介します。
不便な生活が、工夫につながった。70代暮らしの達人が実践する6つのル―ル
70代を迎えてもなお、自分らしく、心地のよい暮らしのヒントを日々発信し続ける坂井より子さん。そんな坂井さんが大切にするのは「ものの命を大切にして、きちんと使いきる」というルールです。坂井さんが、こうした循環する暮らしを日常に取り入れるようになったのは、結婚後、葉山に引っ越したことがきっかけでした。
「結婚してすぐに引っ越した葉山は、今と違ってお店もなく、交通の便も悪い本当の田舎だったんです。欲しいものがあってもすぐに手に入らない不自由さがあったから、ふだんからあるものでどうにかできないかと工夫するようになりました」
●その1:使い終わった牛乳パックは揚げ物の相棒に
「戦後のものがない時代を経験しているので、あるもので工夫するのが当たり前という感覚があるんです」と語る坂井さんの暮らしのなかには、シンプルながらも毎日を楽しくするようなアイデアであふれています。牛乳パックやビン、缶、プラスチック容器まで、どんなものでも「ほかに使いまわせる方法はないだろうか」と考えるのだとか。
たとえば、使い終わった牛乳パックは、肉や魚を切るとき、まな板の上に敷く人も多いはず。ただ、坂井さんは、牛乳パックを揚げ物の相棒としても活用しています。
「薄く2枚に開いた牛乳パックの内側は、ざらざらで油をよく吸収してくれるので、揚げ物にも大活躍します。外側はコーティングされているので油を通さず、キッチン台も汚れません」
●その2:あきビンやお菓子のあき箱は、調味料の整理グッズとして
よく買う商品のあきビンは、調味料入れとして大活躍。たとえば、いつも同じメーカーのお得な大ビンで購入するマスタードは、風味が飛ばないように中身を小分けし、あいた大ビンに別のものを入れて使うのだとか。さらに調味料を入れたビンは、お菓子のあき缶にまとめて、引き出しのように棚に並べることで、出し入れが楽に。
●その3:プラスチックのあき容器は漏斗や仕切りに早変わり
使用済みのプラスチック容器も、工夫次第でいろいろな使い道が見つかります。
マヨネーズやケチャップの容器は、きれいに洗って平らに開いておけば、粉ものや液体を移し替えるときの漏斗に。移し替える容器の口に合わせてサイズも自由自在に調整できます。
豆腐パックも、使い終わった後は、キッチンの引き出しの仕切り代わりに使うと、すっきりと整理されるのだとか。
●その4:使い終わっただしがらは、即席のふりかけとしていただく
「あるものを上手に使う」という坂井さんの姿勢は、あき箱やプラスチック容器などにとどまらず、食べ物にも及んでいます。
食べ物を使いきり、フードロスを出さないため、だしがらや余った食材も、ちょっとしたひと手間で別の食べ方を楽しんでいるそうです。
また、自家製のめんつゆをつくるときに使う花がつおのだしがらは、捨てずにザルにあけ、1日干してから電子レンジで加熱。パリパリに乾燥させれば、即席のおかかふりかけに。めんつゆの味がしみているので、いりごまをパラパラとふりかければできあがりです。
だし汁のだしがらを使うときは、しょうゆで味をととのえてから干すのがコツです。
●その5:余った野菜やきのこは乾燥させて、みそ汁の具や漬物として活用
旬の野菜やきのこが余ったときは、自家製の干し野菜をつくり、みそ汁の具や漬物にアレンジ。野菜やきのこを細かく切り、キッチンペーパーを敷いたザルの中で、天気のよい日に1日外で天日干しを。翌日にはリビングの窓辺で半日干せばできあがりです。干した野菜は、最後に全部混ぜ合わせて保存します。
●その6:白米は冷凍して、おやつや昼食用の焼きおにぎりに
白米が残ったときは、おにぎりにして冷凍するのが坂井さん流。塩はふらずに冷凍し、食べるときはそのまま魚焼きグリルで焼いて、焼きおにぎりに。最後に小皿でしょうゆをまぶせば、グリルを洗うのも楽。
「帰宅した孫たちのおやつや、夫と私の軽い昼食にも。さっとそのまま焼けば、すぐに食べられるのが便利ですね」