忙しい毎日のなかでのごはんは、あまり手をかけずにおいしくつくりたいですね。エッセイスト・若松美穂さんが教えてくれたのは、「定番のつくり方ではないけれど、家族に好評のハンバーグ」。上手に手を抜く工夫が盛りだくさんです。

おいしければOK!手早く簡単、おいしい我流ハンバーグ

今や料理のつくり方は、ネットで調べれば、材料もつくり方も全部「ちゃんと」出てきます。だからこそ、そうではない手の抜き方や、これでもいいんだよということを娘たちに伝えたいと考えています。
お料理や食事の「ちゃんと」って人それぞれだから、完璧を目指さなくてもいいかなって。
「お料理は面倒ではなく、ササっとできることもある」ということを知っておけば、イザというときに自分を助けることができるような気がします。

<写真>ソースいらずの秘密は「これ」をお肉に混ぜること

●ある日の私流適当晩ごはん〜和風ハンバーグの巻〜

(1) タマネギ小さめ1個はニトリの『引っ張りみじん切り器(M)』(これはもう欠かせません)であっという間にみじん切り。

 

「ぶんぶんチョッパー」などの名前で売られているアイテムで、取っ手のついたヒモを引っ張ると刃が回転し、タマネギも一瞬でこのとおりです。

(2) ひき肉500グラムに、炒めないタマネギ(私はその方が好きなのです)、卵1個、1カップのパン粉に半カップの牛乳を入れて、それほど浸しもせずに入れちちゃう。あらびきコショウも追加。

 

(3) 味つけはあとでソースをつくらなくていいよう、ハンバーグ自体に味つけします。“ほんだし”をさささっと適当にふり入れて和風味に。

(4) ここでフライパンを出します。火はつけない状態でコンロの上に置きます。
手袋をしてすべてボウルの中の材料を混ぜる・こねる(手を汚さないのも面倒が減る理由)。
お肉の形をつくったら、そのまま一つずつフライパンに並べていきます。
片づけを簡単にするのも私流。お肉を混ぜたボウルはぼろ布でふいて、洗う際に汚れができるだけ少ない状態にしてシンクへ。

(5) この日はふるさと納税で届いた豚ひき肉を解凍して使用。豚肉は、焼いているうちに油が出るので、油はひきません。すべて並べ終わったら、火を入れて焼いていきます。片面に焼き色をつけ、あとは蒸し焼きになるようにじっくり焼きます。

時間のかかるものからつくっていけば、すべての終わりの時間が同時まではいかなくても、近い時間につくり終わりますよね。

(6) 焼いている間に、切干大根のサラダとおみそ汁をつくりました。
サラダをつくるときには、スライサー&千切りスライサーを多用(これまた、料理のスピードアップのためには私の必需品)。
おみそ汁の具のニラやえのきは、お鍋の上ではさみでカットしてそのまま入れてしまえば、まな板いらずです。

多めに炊いて常に冷凍してあるご飯をレンジでチン。塩昆布と白菜の浅漬けを並べれば出来上がり〜。

大葉は緑がたりないときに役に立つので、たっぷり入ったものを買っておきます(今回はハンバーグの下に敷いています)。手がかかる大根おろしはチューブがやめられません。

TVや雑誌で見る定番のハンバーグのつくり方ではないけれど、わが家では「おいしい〜」の声が聞こえております。