電気料金など値上げが続いています。エアコンなどの使用が落ち着きつつある今、夏に向けて対策をしておきたいもの。節約アドバイザーの丸山晴美さんに電気を節約する工夫について教えてもらいました。

電気代値上げに負けない!夏に向けて知っておくべき節電のコツ5つ

電気料金の上昇が止まりません。グラフは、東京電力が発表した2021年1月から2022年3月までの燃料調整費のお知らせのと、平均モデルの影響額をグラフ化したものです。平均モデルとは、「従量電灯B・30A、使用電力量260kWh/月の場合で、再生可能エネルギー発電促進賦課金、口座振替割引額、消費税等相当額を含みます。

2021年3月と2022年3月の前年同月比では約30%値上がりをしていることがわかります。この値上げはしばらく続くことが予想されます。夏の電気代UPに備えておきましょう。

 

(1) 家電製品を見直す

こちらのグラフは夏の日中の消費電力割合です。多い順に、エアコン、冷蔵庫、テレビ、照明となっています。つまり、割合が多いものから節電に取り組むことで、高い効果を得ることができます。そして、古い家電製品から新しい家電製品に買い換えることでも節電につながります。

省エネ製品買換ナビゲーションの「しんきゅうさん」では、2010年製の冷蔵庫を2020年製のものに買い換えると、約37〜43%の削減、エアコンは同条件で約12%削減になると試算しています。古い家電製品を使用しているのであれば、買い換えも一案でしょう。「しんきゅうさん」では電気代の比較ができるので、節電効果が高いものから買い換えるとよいでしょう。特に、クールシェアとして家族が集まるリビングから買い換えると、節電効果も高くなるでしょう。

参考:しんきゅうさん

 

(2) 保温設備を見直す

あらゆる家電についている温め続ける保温を見直しましょう。たとえば、温水洗浄便座の暖房機能をオフにして、貼る便座シートにする。電気ポットの保温はやめて、飲む分だけやかんなどでその都度沸かす。炊飯器の保温を使わず、小分け冷蔵、冷凍にする…など。

もちろん、調乳などでポットの保温機能を使っているなら無理に保温を切る必要はありません。小さなことからコツコツ電気を使わない工夫ができるはずです。

(3) 窓まわりをチェックする

冷房でせっかく冷やした空気も窓対策がされていないと、せっかく冷やした空気が窓ガラスから逃げて、外の熱気が窓ガラスを通して入ってきてしまい、電気代のロスにつながります。遮光性や遮熱性能の高いカーテンにすることで、冷暖房効率が高くなるので買い換えるのも手です。オーダーをする場合、仕上がりまで2週間ほどかかることがあるので、早めに注文をすることをおすすめします。

そして、4月からならゴーヤなどのつる性植物を窓ぎわに置いて、緑のカーテンをつくる時間もあるでしょう。ゴーヤを植えたら、食費の助けにもなりそうです。

 

(4) 新電力にきり替える

大手電力会社よりも○%安くなる。ポイントが貯まる。ガソリン代が安くなるなど、新電力に切り替えることで、電気代が安くなることがあります。自治体単位でも、行動購入することで電気代が安くなるサービスもあります。首都圏10自治体で実施している「みんなでいっしょに自然の電気」は、電気を共同購入することで電気代が安くなる取り組みです。

令和2年度の電気代削減額は、自然の電気30%:約9%、自然の電気100%」約6%でした。募集期間が限られており、次回は令和5年分となっています。申し込みが集まれば集まるほど安くなる仕組みのため、今後の選択肢としてもいいでしょう。

参考:「みんなでいっしょに自然の電気」

 

(5) 節電習慣を身につける

「使っていない電気はこまめに消す!」これは節電習慣の基本です。例えば、時計代わりにテレピをつけっぱなしにしない。照明はこまめに消すなどです。

そしてまた、冷房や照明などを共有して節電する「クールシェア」を習慣にしましょう。家族がリビングなど1つの部屋で集う時間が増えるように、リビングを居心地の良い空間いしたり、日ごろから家族とのコミュニケーションを取るようにしましょう。これから日の出も早くなるので、夜更かしをせず、早寝早起きをするのもいいですね。

さらに、夏場は冷蔵庫の開閉回数が増えますので、それぞれのMY水筒を持って、麦茶などを入れて家の中でも持ち歩くようにすると、冷蔵庫の開閉回数を減らすことができます。それぞれは小さなことですが、夏までに習慣化させておくと、節電の効果も大きくなるでしょう。

 

無理をせず、生活の中で節電できる仕組みを今のうちにつくっておくことで、上昇した分の電気代は取り戻すことができるのではないでしょうか。