食いしん坊イタリア人・マッシさん絶賛!ウマすぎる日本の「神グルメ」&次に来るイタリアの「絶品スイーツ」を聞いてみた

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noteで100万PVを記録した「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」が話題の日伊通訳者、マッシミリアーノ・スガイさん。3月2日には、マッシさんが日本で出会った絶品グルメとその感動体験をまとめたエッセイ「イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ」も発売。そんなマッシさんに日本とイタリアの食の違いについてインタビュー。今年日本でヒットしそうなおいしいイタリアンスイーツも教えてくれました!

ここがすごいよ日本人!イタリア人が感動した料理とは?


“ふっくらもちもち”のやわらか食感


僕が最初に驚いたのは、日本のお米です。イタリアでもお米は食べますが、パスタと同じように鍋で固めに茹でるのがイタリア流。お米を炊くという習慣がありません。パンも肉も焼き菓子も固め。だから、日本に来たイタリア人の多くはその食感に衝撃を受けます。僕も18歳の時に初めて日本でお米を食べたときは驚きました。柔らかすぎて「変な食感だな〜」と思って食べていたけど、今ではすっかり白米の虜です。冷めてもおいしいし、お菓子にもなる。このおいしさをもっと早く知りたかったと思いました。

豆でお菓子を作るという発想力


日本人の「豆」の使い方にも感動しました。僕が生まれ育ったイタリア・ピエモンテ州でもミネストローネ、レンズ豆の煮込み、ひよこ豆のパスタなど、豆を使った料理はたくさんありますが、あんこのように「甘い豆」は食べたことがありませんでした。だから、初めてあんこを食べた時、「豆が甘いってどういうこと!?」「スイーツに野菜を使う?」ってびっくりしました。豆=野菜としか考えていないイタリア人と違って、日本人は豆の使い方もうまいなと思います。

日本に来て1番大きな変化の巻 pic.twitter.com/REsPdO8Y51

- マッシ 🇮🇹🇯🇵 日伊逐次通訳者 (@massi3112) August 25, 2021

“甘じょっぱい”という不思議な味


皆さんが当たり前のように食べている“甘じょっぱい味”、実はイタリアにはない味なんです。だから「塩大福」や「桜餅」「みたらし団子」のような和菓子に遭遇したら、もうパニック(笑)。甘いのかしょっぱいのかうまく説明できない不思議な感覚に陥ります。イタリアはスイーツといえば砂糖たっぷり、バターたっぷり、チョコもたっぷりで、ザ・砂糖という感じ。同じチョコケーキでも日本は甘すぎず“ぴったりの甘さ”だからおいしいです。僕はもうこのおいしさがふつうになってしまったから、イタリアに一時帰国したときに現地のスイーツを食べると甘すぎて完食ができなくなりました(笑)。

イタリア人も感動!日本のイタリア料理


日本はおいしい食べ物の宝庫。和食に限らず世界各国のいろいろな料理が楽しめるのも日本の魅力だと思います。イタリア料理も本場の味と同じくらいおいしいお店がたくさんありますよ。最初に「サイゼリヤ」に行ったときは本当に衝撃を受けました。種類は豊富だし、トマト系のパスタはしっかりトマトが効いていて、もうイタリア料理そのもの。イタリアにいるような気分になって、それはそれは驚きました。「たらこパスタ」や「和風きのこパスタ」など日本ならではのメニューも、イタリアのお店でも出してほしいくらいおいしかったです。

アレンジするともっとおいしい!


日本では出された料理に勝手に味を加えることは失礼にあたりますが、イタリアは自由にチーズやオリーブオイルを加えて、カスタマイズするのが当たり前。イタリアのレストランやカフェでは必ず、バルサミコ酢、パルメザンチーズ、オリーブオイル、塩胡椒が置いてあって、自由に自分好みの味を作って楽しみます。なので、僕は「サイゼリヤ」でも自分流に味をカスタマイズして食べています。最初は僕の食べ方を見て怪訝そうな顔をしてた日本の友達も「同じピザ、パスタと思えないおいしさ! みんなに教えたほうがいい」と言ってくれて、Twitterで紹介することになりました。

マッシさんがTwitterで紹介したアレンジレシピ

サイゼリヤの美味しい食べ方 その2

パルマ風スパゲッティに多めのパルメザンチーズをかけて軽く混ぜる。その後軽くチーズとオリーブオイルをかけて、フォークをさしながらほぐすように空気を入れる。30秒〜1分待つと1回目にかけたチーズが溶けるからトマト系のパスタは更に濃厚で美味しくなる。 pic.twitter.com/iCzgGJ3qyb

- マッシ 🇮🇹🇯🇵 日伊逐次通訳者 (@massi3112) May 21, 2021

サイゼリヤの美味しい食べ方 その4

ピッツァマルゲリータの半分の面にカリッとポテトを乗せて、軽く塩とオリーブオイルをかける。ピッツァを半分に折り畳みカルツォーネの出来上がり。半分に切って手で持って食べるのがおすすめ。
カルツォーネとは「ストッキング」または「ズボン」の意味。 pic.twitter.com/vSZ0OcMHdu

- マッシ 🇮🇹🇯🇵 日伊逐次通訳者 (@massi3112) May 29, 2021

イタリア人の僕にとっては、パスタにチーズをたっぷり入れるのも、サラミやチーズ、野菜をパニーニにはさんで食べるのも当たり前。でも、それが日本人に面白いと感じてもらえたのはうれしかったです。

マリトッツォの進化にも脱帽!


イタリア人は自分で味をアレンジすると話しましたが、日本人は外国の料理を日本流にアレンジするのが上手だと思います。例えばピザ。チーズたっぷりのピザにはちみつをかけた「クアトロフォルマッジ」はイタリアにはない料理です。先ほど話したように、イタリア人は “甘じょっぱい味”に馴染みがないので、日本に来たイタリア人は必ず驚きます。

昨年大流行した「マリトッツォ」もアレンジして楽しんでいますよね。フルーツをはさんだり、クリームの種類もたくさんあって、そのアレンジ力には驚かされます。イタリアにある本場のマリトッツォは、あんなかわいい形ではないですし、クリームももっと軽めでシンプルです。どちらかというと、ローソンで販売されていた「おやつコッペ リッチミルク」が見た目も味も本場そっくり。イタリアのマリトッツォに近いと思います。

次にくるのは、このイタリアンスイーツだ!


「マリトッツォ」のようなパンとクリームの組み合わせが好きな日本人にぜひおすすめしたいのが、シチリア発祥の「カンノーリ」というお菓子です。ロール状で見た目もかわいく、中に入っているリコッタチーズのクリームも濃厚周りのパイ生地がサクサクで、日本で絶対はやると思います! もし日本で人気が出たら、抹茶味や餅入り、アーモンドキャラメル味など、どんどん新しい味が登場しそう。


ほかにも、最近はアイスケーキの「カッサータ」も注目されていますよね。イタリアのカッサータはカロリーが高くて重いですが、日本のコンビニで販売されているのは軽くてヘルシー。食べても後悔しません。


そう考えてみると、日本人の口には南イタリアのスイーツが合うのかもしれません。ブリオッシュコンジェラートも見た目がマリトッツォみたいでかわいいですよ。シチリアの人は朝にカフェで食べていて、ブリオッシュパンにアイスをはさんで食べます。

日本はイタリアのスイーツをさらにおいしくするのが得意なので、ぜひこれらのスイーツも日本にたくさん並ぶ日がくるといいなと思います。

(TEXT:河野友美子)

イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)



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マッシミリアーノ・スガイ

1983年、イタリア・ピエモンテ州生まれ。日本食が大好きな日伊通訳者&起業家。トリノ大学大学院文学部日本語学科修士課程修了。2007年に日本へ渡り、日本在住15年。現在は石川県金沢市に暮らす。食と日本への愛を語り倒すTwitterとnoteが話題を呼び、メディアにも多数取り上げられるなど注目を集める。noteの「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」 は95万回以上読まれた。本作が初めての著書となる。

Twitter:@massi3112

note:massi311283