新庄監督は「めちゃくちゃ考えていた」 ド派手指導にこだわり…密着TV番組の“裏話”
春季キャンプでは武井壮氏ら異業種の臨時コーチを招聘
今や野球ファンでなくても日本ハムの新庄剛志ビッグボスを知っている人たちは多いだろう。明るいキャラクターに周囲の度肝を抜くド派手なパフォーマンスで、多くのファンを魅了している。19日午後4時30分から1時間スペシャルで放送するTBS系の人気番組「バース・デイ」は、監督就任した昨年11月から5か月密着取材。奇想天外なパフォーマンスの数々を間近で見てきた。今回は放送に入りきれなかった「裏話」を紹介する。
2月の沖縄キャンプで大きな話題になったのが、ビッグボス発案による臨時コーチの招聘だ。タレントで陸上十種競技の元日本王者・武井壮氏に始まり、元阪神で盗塁王5度の赤星憲広氏、アテネ五輪ハンマー投げ金メダリストでスポーツ庁の室伏広治長官。競技の枠に捉われない発想によって集まった臨時コーチ陣。「バース・デイ」の鈴木栄蔵プロデューサーは「新庄さんはめちゃくちゃ考えていた」と人選の舞台裏を振り返る。
「おそらく監督就任直後から考えていらしたと思います。新庄さんは武井さんをタレントではなく、走ることの専門家として呼んでいらっしゃいました。室伏さんも相当こだわってました。ご自身で『すごい!』と判断した指導者はなんとしてもお越しいただく。『絶対に呼びたい』と言ってましたね。長官がキャンプに来るのはなかなかのハードルですが、室伏さんも新庄さんの本気に納得したのだと思います。それにしても、すごい行動力です」
大きな話題になった異業種からの臨時コーチ。新庄監督は「臨時コーチを呼ぶ順番」にもこだわっていたという。「武井さんは体の動かし方、走り方とアスリートの基礎的なところで共通するところがある。だから最初に呼びたかったと。とにかく順番が大事だとおっしゃっていました」と鈴木氏。元中日監督の谷繁元信氏らプロ野球OBにも選手への指導を仰いだ。こだわりにこだわった特別指導は大好評だった。
鈴木氏は48歳でプロ野球復帰を目指した2020年に続いての密着取材だった。「楽しくて面白い人」という新庄氏への見方は変わっていったという。「それだけじゃないですね。新庄さんは全てのことに対して、自分の知識、経験に基づいた考えを持っている理論家です」。ビッグボスの挑戦の舞台裏も伝えていくつもりだ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)