Intelは2月24日にAlder Lake-P/UベースとなるTDP 9/15/28Wの第12世代Coreプロセッサの詳細を公開したが、これに続きAlder LakeベースのvPro対応プロセッサの概要を公開したのでご紹介したい。ちなみに概要、というのはこの記事執筆時点ではまだ具体的なSKUとその詳細スペックがアクセス出来ていないためであるが、恐らくは記事公開の時点でIntel Arkなどに公開されるものと思われる。

さて、実は筆者のCESにおける記事では割愛させていただいたのだが、1月4日のCESの時点で、IntelはvProに新しいプラットフォームを追加する事を表明していた(Photo01)。

Photo01: 割愛したのは、この時点ではまだ詳細な説明が無かったためでもある。といっても今回もあまり変わらないのだが。


筆者の理解で言えば

vPro Enterprise:従来のvProがブランドを変更したもの。vProの全要素を含むもの。

vPro Essentials:vProのうち、SMB(Small/Medium Business)用途に必要なものだけを選んだ、いわばvProの最小構成

vPro Evo:Intel EvoにvPro Enterpriseを組み合わせたもの(逆かもしれないが)

vPro Enterprise for Chrome:Chrome OS向けにvPro Enterpriseの機能を提供するもの

となる(Photo02)。

Photo02: Photo01ではvPro Enterpriseが"NEW"となっているのに、今回は"NEW"がついていない辺りが、恐らく中身は従来のvProそのままと思われる。


で、Photo01/02でvPro Enterpriseの説明に"Continues to raise tha bar"とあるが、具体的にどんなものが追加されたか? というのがこちら(Photo03)。Thread Detection TechnologyとかIntel Hardware Shieldの機能強化といったあたりが新規の機能要件であり、それとChromeOS向けの新しいハードウェア保護あたりだろうか? Performance Hybrid Archtectureは単にAlder LakeのP-Core/E-Core Mixの話かと思われる。

Photo03: 何に対して"Raise the bar"か? というと、AMD Proに対してという事になるだろう(いや公式には第11世代までに比べて、という事かもしれないが)。


ところでvPro/vPro EnterpriseとvPro Essentialsの違いは何か? という話は詳細な説明が無いのだが、概略としてはこういう事(Photo04)だそうである。一応"Ready for What's Next"として挙げられているDASH supportとかWi-Fi経由での管理、あるいはCloud経由でのIntel EMAはどちらのSKUでもサポートされているようだ。

Photo04: vPro Essentialsでは「何が出来ないのか?」のリストが欲しいところだ。


ところで先にSKUがまだ紹介されていないとしたが、簡単な性能比較がこちら(Photo05)。28WのvPro Processorを第11世代Core i7及びRyzen 7 Pro 5850Uと比較したもの、それと65WのvPro Processorを第11世代Core i9及びRyzen 7 5700Gと比較したものである。特にRyzen 7 5700Gと比べるとかなり優位にある、というのがIntelの説明ではある(Photo06)が、これがRyzen 6000 Mobileベース製品が出たらどうなるのか、ちょっと楽しみである。とりあえずこの第12世代CoreベースのvPro対応製品は150以上のデザインが進行中という事で、間もなく市場投入される模様だ。

Photo05: もっともこれ、そのうちAMDがRyzen 6000 MobileベースのPro版をリリースするので、その際に改めて性能比較が示されそうである。


Photo06: とりあえず対抗製品が出るまではRyzen 7 5700Gで比較するしかないので、これはこれで妥当と言えば妥当な比較ではあるのだが。


Photo07: "across all PC form factors"ということで、MobileとDesktop、更にChromebookまで含んでの数字と思われる。