日中韓合同K-POPオーディション『ガルプラ』に見た課題と可能性
グローバル化とローカル化が同時進行する昨今の潮流をふまえたうえで、それらを再度K-POPに合流させるような構想とも捉えられるのかなと思います。
菅原:そのときに、あくまでもこれまでの「K-POP」のあり方に他国の要素を回収していくのか、それとも他国の要素を踏まえてまた別のものが出てくるのか、といったところが大きなポイントになってくると感じていました。
中国版の『プデュ』(以下、『中プ』)や『PRODUCE 101 JAPAN(以下、『日プ』)などの番組では、同じフォーマットでも地域が違えば番組の様相もどうしたって本国(韓国)のものとは変わってくる、ということを実感しました。なので、『ガルプラ』にはいろいろ心配な要素もありつつも、3つの文化圏におけるアイドルシーンの協働がどんな化学反応を起こすのかという期待感は持っていました。
─『日プ』や『中プ』など、これまでのローカライズされたオーディション番組において、地域によって違う様相というのは、どのようなところで見られましたか?
松本:課題曲にK-POP以外の楽曲が使われたりするのは、ローカライズ企画ならではの面白さですよね。『Nizi Project』の東京予選で歌われた“雪の華”(中島美嘉)は印象的でしたし、『日プ』シーズン1でも、SEVENTEENやBTSといったK-POPグループの楽曲に混じって、back numberや嵐の楽曲が課題曲に使われていたのは新鮮に感じました。
中国版の『プデュ』はさらにバリエーション豊かで、K-POP楽曲や中国のポップスに混じって、タイのポップデュオ・China Dollsやビリー・アイリッシュの楽曲、日本のアニソンなど、アイドルのパフォーマンスを前提にしていない楽曲が選曲されていました。
オーディションシステム自体はK-POPで見慣れた形式そのままなのに、楽曲のジャンルや地域はバラバラで、しかもパフォーマンスのレベルはやたら高いという面白い状態になっていました。
菅原:メンバーのキャラクターや、ファンダムのあり方の違いも印象的ですよね。比較的グループ単位での魅力を重視する日本や韓国のファンに対し、中国のファンはきわめて個人主義的で、グループの活動よりも個人の仕事を優先してほしいという声がよく聞かれます。
いちファンとしてK-POPシーンに触れながら『日プ』や『中プ』を見ていくうち、韓国・日本・中国間の芸能文化やファンカルチャーの違いを実感していたので、K-POPアイドル志望者をその3つの文化圏からトランスナショナルに募る『ガルプラ』には興味を引かれました。
