Jリーガーたちの裏側!会見での「語り口」が印象的だった5選手
Jリーグは現在、新型コロナウイルスの流行に伴い試合後の記者会見をオンラインで行っている。
直接顔を合わせることができない難しさがある反面、落ち着いて詳細な話ができる場合もあるだろうか。その中で、普段ピッチの上とは違う表情を見せてくれることもある。
そこでここでは、開幕戦の後に行われた会見の中から印象的だった選手たちをお伝えしよう。
松木 玖生
所属クラブ:FC東京
2022シーズンのJ開幕節で大きな話題を提供してくれたのは何といってもこの選手だろう。
昨秋海外移籍も取り沙汰されるなかFC東京入りが内定し、今冬には常勝・青森山田の主将として全国高校サッカー選手権を制覇した松木。開幕の川崎フロンターレ戦でいきなり先発に抜擢されると、絶対王者相手に一歩も引けをとらないプレーを見せた。
試合後の会見でも年上の記者たちを前に堂々と振る舞い、「緊張はなかった」「フィジカルと球際は全然負けてない」「いつも通りにやっただけ」と大物感たっぷりの回答。一方で「ボールを失った部分が一番多かった」と反省も忘れなかった。
良い意味での“ふてぶてしさ”があり、若い頃の本田圭佑の彷彿とさせるものがある。間違いなくこれからピッチ内外で目を離せない存在になるだろう。
瀬川 祐輔
所属クラブ:湘南ベルマーレ
今年柏レイソルから湘南ベルマーレへと移籍し、開幕戦で古巣と対戦することになった瀬川祐輔。前半のうちに大岩一貴が退場になり、後半に2失点して敗れるという悔しい結果となった。
人一倍の意欲を持って臨んだ試合での敗戦、そのあとに記者会見へ。当然ながら彼の表情は明るいものではなかったものの、その中で淡々と一つ一つの質問に対してとても丁寧に答える姿が印象的だった。
ともすれば燃えすぎてしまう、負ければ悔しさに苛まれてしまうような状況で冷静に試合を見ていたことの証明だろう。
昌子 源
所属クラブ:ガンバ大阪
ホーム開催の開幕戦で、鹿島アントラーズに1-3と敗れてしまったガンバ大阪。
今季から就任した片野坂知宏監督は試合後の会見で落胆の色を隠せなかったのだが、2018年W杯戦士でもある元日本代表DFの表情は意外にもあっさり。
チームはビルドアップからのミスで前半30分までに2失点を喫した。しかし昌子は「もちろん失点はダメだけどそこでトライをやめてしまうとやっぱり進歩がない」と新しいことに取り組んでいるなかでのミスだと強調。
退場者が出て10人となった後も「まだ1,2度チャンスは来る」と確信し実際にチャンスは訪れた。それを決められず、逆に3失点目を喫してしまったことを悔やんだが、終始解説者のように客観的な言葉で振り返っているのが印象的だった。
槙野 智章
所属クラブ:ヴィッセル神戸
10シーズンを過ごした浦和レッズを退団し、ヴィッセル神戸の一員となった槙野智章。注目のデビュー戦は、まさかの右サイドバックでの出場となった。
試合後の会見では当然のようにそのことを記者に問われ、キャンプからの流れを説明しつつ、自分の役割をしっかりと認識した上でピッチに立ったことを毅然と語る姿が印象的だった。
残念ながら良いパフォーマンスを発揮することはできず、チームも0-2で敗れてしまったが、「ネガティブになりすぎると、ここまで積み上げてきたものとか今からやらなければならないことが台無しになってしまうので」と語った槙野。
名古屋戦でJ1 400試合出場を達成した34歳は、すでに次の試合を見据えていた。
鈴木 優磨
所属クラブ:鹿島アントラーズ
Jリーグの復帰初戦で1ゴールを記録し、G大阪への快勝に貢献した鈴木優磨。
しかしこの試合では彼の過剰なジェスチャーによりG大阪FWパトリックが一発退場になる場面もあり、ネットでは炎上。「鈴木を日本代表に呼ばない森保監督は正しかった」という意見も賛同を集めていた。
その試合後ということもあって彼がどのような面持ちで会見に臨むのだろうかと注目していたが、本人は意に介さず淡々とした様子。一方、会見の中では個人のゴールよりチームの勝利に対する想いが強くなったことを実直に語っていた。
全体を通しても無骨ではあるものの、質問に対してしっかり自分の言葉で伝えてくれる印象があった。
言葉にしても振る舞いにしても器用ではなく、誤解を受けやすい面があるのかもしれない。能力的には間違いなく高い選手なだけに、なんとか上手くいってほしいものだが…そう思いながら、ふと『Number』に掲載されていた風間八宏氏の言葉が頭に浮かんだ。
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『私からしたらエネルギーがあることは武器なんですよね。噴火寸前の火山のような選手がいたら、噴火させてあげればいいんです。大事なのは噴火の力をどう使うかです。』