日光市の路線でSLを走らせている東武鉄道は安定的な運行などを目指し3両目の導入を進めています。

このほど機関車の復元作業が進み、ボイラーに火を入れる「火入れ式」が埼玉県内で執り行われました。

鬼怒川線や日光線を走る「SL大樹」

東武鉄道はこれまでにJR北海道や真岡鐵道から車両を手配し、2両体制でSLを運転しています。

さらに安定的な運行ができるように3両目の導入を進めていました。

そして24日、埼玉県久喜市の車庫でお披露目されたのは、これまでと同じ「C11形」の車両

1947年に製造され、滋賀県や北海道で客車や貨車をけん引したのち、1975年に廃車になると、その後、北海道江別市で静態保存されていました。

2018年に東武鉄道の元へやってきて、その翌年から20人のチームによる復元作業が行われてきたといいます。

今後の安全を祈願して根津嘉澄取締役社長がボイラーに火を入れました。

およそ50年ぶりに火がともったこの機関車は「123号機」と番号を付けられました。

同じ形式の蒸気機関車による3両体制となり、沿線地域とSLの事業が将来に向かって大きく発展してほしいという願いが込められています。

また、3両目の導入で安定的な運行に加え、こんなことも期待されます。

東武鉄道 根津嘉澄取締役社長:「三重連も可能となる。日光鬼怒川以外にも会津への乗り入れも引き続き取り組みたい」

鉄道産業文化遺産の保存や日光・鬼怒川地域の活性化、それに東北復興支援という大きな意義をもって運行されるSL大樹。

3両目はこの後、動輪や配管などの整備や試運転などを順次行い、来年春の運行開始を目指すということです。