発達障害夫婦の生きづらさを軽減する工夫。できないことにもう自分を責めない
グラフィックデザイナーの西出弥加さんと訪問介護の仕事をする光さん夫妻は、夫婦ともに発達障害という特性をもちながら結婚。お互いにできること、できないことがあるもののお互いを責めたりはしません。その秘けつを教えてもらいました。
発達障害夫婦だからこそ補い合いを。努力してもできないことに目を向けない!
夫はADHD(注意欠如・多動性障害)、私はASD(自閉症スペクトラム)要素が多いのですが、上記のようにじつは結構似ている性質もたくさん持っています。
互いに考えていることや得意なことが言わずともわかる部分があります。
しかし似ているからこそ、陥りやすい点があります。それは、「自分は努力してできたのだから、あなたも頑張ればこれくらい、できるはず」と無意識に相手に期待してしまうことです。
出会った当初は相手に期待していなくても、一緒に過ごす時間が増えるほど、無意識に相手に求めていることも増えました。
そこで、当たり前のことかもしれませんが、「努力してできることは、人それぞれ違う」ということを意識するようにしました。
●できないことはしない!できることに目を向ける
発達障害同士だから同じなのだと、決して思わないようにしています。そうすると「自分はこんなに努力してできるようになったことがたくさんあるのに…」とか「なんで君はできないのだ」と思うこともなくなります。
まずは互いにできることだけ行い、できないことは無理してやらないという感じで結婚生活を続けてきました。
そして周囲の人にも色々とお願いし、頼ることにしています。
一緒にいる中で「頑張ってきたはずなのに…3歩進んだのに4歩くらい下がった?」と思うときもあります。
しかしそういうときは「そういうものだ」と思うようにしています。
進まなくていいのだ、と一旦割りきっています。
パズルピースは、一つ一つ違うからこそ、一つの絵になるのだと思っています。
同じピースがあっても絵は完成しないので、相手と自分の違う点を確認し、納得して淡々と生活するということを繰り返しています。
そして無理をしすぎていた頃と比べると、生きづらさは減りました。
そうしたら心に余裕が生まれたのか、逆にできることの範囲が少しずつ広がってきたようにも感じます。