年末が近くなると、ふるさと納税のことが気になる。それがいつのまにか恒例となってきている。

ふるさと納税の返礼品、今年は何にしようかな......。高級牛肉、うなぎ、いろいろあるけど、迷うのもまた楽しいものだ。

さて最近注目を集めたふるさと納税返礼品といえば、やはりこれじゃないか。

青森県むつ市の「ホタテ水着」だ。あるふるさと納税ポータルサイトの「宝飾品・工芸品」のカテゴリーでは、月間1位を獲得したこともあるという。

そんな「ホタテ水着」について2021年11月27日、「アヴェマナヴ」というツイッターアカウント(@hotateyasan))から、次のようなツイートを投稿され、いま話題となっている。

「アヴェマナヴ」とは、ホタテ水着を生産する阿部商店(青森県むつ市)の阿部学社長のことだ。「9月にむつ市ふるさと納税返礼品に登録されたホタテ水着ですが、これまでに予想を遥かに上回る230個ご注文を頂いております」というコメントが添えられている。このツイートには1万5000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(11月29日現在)。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「人気で草」
「来年の夏は全国の海やプールに230人のホタテ水着が表れるのか、、、」
「意外にも需要があるのですね!」
「バエルでしょうね それ用に需要があると思います」

ツイッター上では異様な盛り上がりを見せているようだ。

「予想をはるかに上回る注文」をいただいてしまった阿部商店はいったいどうしているのだろうか。Jタウンネット記者は阿部学さんに電話で聞いてみることに......。

「100個くらい」の予想をはるかに超えた

ホタテ水着とは、3枚のホタテの貝殻を青いリボンで固定した、いたってシンプルなデザインの水着だ。貝殻の幅は一枚12センチ前後。「大きすぎず小さすぎず、丁度いい貝幅のホタテ貝」だという。寄附金額6000円の返礼品だ。

ホタテ水着を開発するきっかけは、10年半前に起きた東日本大震災。阿部学さんは、地元特産のホタテの貝殻が、大量に余っているのに気付き、何とか活用できないかと考えた。

電動ドリルで穴を開け、表面を漂白・研磨して、水着に加工し、ネット販売したところ、年間に平均で100セットほど売れたことも......。

今回のふるさと納税返礼品も、阿部さんは「100個くらいかな」との予想していたそうだ。ところが、「予想をはるかに超える注文に驚いています」と語る。

生産の方は大丈夫なのかと聞いてみると、阿部さんと妻が2人で手作りで作っているため、急な増産は難しいが、「年内、精一杯頑張ります」と元気よく答えた。阿部商店の本業は、海産物のオンライン通販だ。

こちらも年末が稼ぎ時。ふるさと納税返礼品とオンライン通販、ダブルで忙しい年末とは、不景気な昨今、良いことかもしれない。