「物は言いよう」ということわざがあるように、同じことを伝えるにも言い方ひとつで印象はよくも悪くも変わるもの。仕事関係の人間関係をプラスに変える「言い換え」のコツを、ベストセラーになった『よけいなひと言を好かれるセルフに変える 言いかえ図鑑』(サンマーク出版刊)の著者・大野萌子さんに教えてもらいました。

仕事関係のコミュニケーションが円滑に。好かれる「言い換え」フレーズ

「上下関係がある職場においては、仕事を円滑に進めるために、だれに対しても「です・ます調」の丁寧語を使い、平等にすることが鉄則です」(大野さん)

●上司に自分の発言が誤解されてしまったとき

余計なひと言/「私はそんなことを言っていません」
好かれるひと言/「私はこのように認識していました」

【大野さんのアドバイス】

相手に非があっても「悪いのは私ではない」と主張するのはNG。まずは事実を確認し、そのうえで同じミスが起こらないよう対策を考える方が建設的。

●仕事を頼まれたもののできそうにないとき

余計なひと言/「今はちょっと忙しいので」
好かれるひと言/「今週は厳しいですが来週なら」

【大野さんのアドバイス】

引き受けるのが難しい場合は、返事を曖昧にせず断りましょう。もし検討の余地があるのなら、「来週までならできます」など、具体的な条件を添えると◎

●後輩がモタモタ仕事をしていると感じたとき

余計なひと言/「こんなこともできないの?」
好かれるひと言/「どうすればできるか考えましょうか」

【大野さんのアドバイス】

相手を見下す行為は一歩間違えるとパワハラに。それよりできない現状を把握し、どうしたらできるようになるか一緒に考えた方が問題解決には近道です。

使いこなすと好印象!メール文面の言い換えフレーズ

●相手の体を気遣うメールを送りたいとき

NG「体調を崩さないよう、お気をつけください」

OK「お健やかにお過ごしください」

【大野さんのアドバイス】

「体調を崩す」は、ネガティブな表現なので、できれば避けること。思いやりを感じさせるポジティブな表現で書くと好印象に。

●返信が遅れてお詫びをしたいとき

NG「バタバタしていて遅れました」

OK「対応が遅れて申しわけありません」

【大野さんのアドバイス】

自分の忙しさを遅れた言いわけにするのはマイナスのアピール。「取り込んでまして」も同様。素直に非礼を詫びる方が誠実です。

●相手に返信を放置され返事を促したいとき

NG「この間も言いましたが例の件どうですか?」

OK「先日のメールの件、わかりづらかったらと思いご連絡しました」

【大野さんのアドバイス】

「言いましたが」は「確認してない?」と責める発言。こちらがへり下り、相手が思い出せるようメールを再送すると親切。

言い方ひとつで印象は変わるもの。ぜひ、お仕事で活用してみてはいかがでしょうか?