「RPGで一番いらない職業は盗賊」という意見 最近のゲームでは活躍の場が減っている?
RPGを遊ぶとき、頭を悩ませるのがパーティ編成。ひと昔前は絶対ここで色々と考えたものだ。
大昔はキャラクターの顔グラフィックすらもなかったので、職業こそが個性を反映できる部分だった。前衛3人は戦士とか侍にしておいて、後衛には僧侶、魔術師といった非力だけど遠距離攻撃ができる面々を置いたりとか。
そうして残り1枠に、大抵は盗賊を押し込んでいたものである。ダンジョンに仕掛けられた即死級のトラップを解除したり、隠し扉を見つけることができるのが盗賊の強みだった。さらに、戦闘終了後に手に入る宝箱を、危険なく開錠するにも盗賊は欠かせなかった。
しかし、そんな盗賊を不要と断ずるゲーマーもいるようだ。(文:松本ミゾレ)
『ウィザードリィ』の時代から盗賊は必須職業だったが……
先日、5ちゃんねるに「【悲報】 RPGのパーティにいらない職業、ダントツで盗賊」なるスレッドが立った。思わず海原雄山並みに「このスレッドを立てた奴は誰だー!!」と激高して調理場になだれ込みそうになったが、このスレ主によると「(盗賊が)いたとしても肩身が狭い」という。
盗賊は冒頭で書いたようにパーティの生命線だし、モンスターだけに気をつけてればいい状況ではないゲームでは、本当に必須の職業。さらに片手弓程度なら装備できるし、戦闘中も暇を持て余すわけでもない。もっと言えばアイテムを使って回復も担えるし。
『ウィザードリィ』や、それに準じたシステムの『BUSIN』、『エルミナージュ』では、中盤までは絶対不可欠だし、終盤になっても特に外す理由がない職業だ。何なら初期職業の戦士とかがとっくにパラディンになってるのに、盗賊はずっとスタメンのままだったりもするし。究極的には盗賊のままでいいし、忍者にしてもいいし、可能性の塊なのである。
最近もアプリで『ウィザードリィ』ライクなRPGを落として遊んでみたけど、相変わらず盗賊は有能なままだった。冷遇する意味が正直分からない。
それこそ、『ファイナルファンタジー』シリーズのシーフなんかも、「ぬすむ」コマンドでレアアイテムを手に入れることができる魅力的なジョブだったし。別にダンジョン攻略型RPGじゃなくても、全体的にRPGでは主力ではないものの必須と言えば必須の職業なんじゃないだろうか。最近はそうでもないの?
肝心のスレ主の主張をもうちょい知りたいが、スレッドを立て逃げしちゃってるのその意図も全然掴めない。
「レベルを上げて物理で殴れば解決」になってる?
ここでスレッドの声も拾っていきたい。いくつか盗賊の利便性について語る意見もあるので、引用させていただいた。
「弓の名手だったらスタメン」
「盗賊いないと宝箱開けられないのでは」
「いやむしろ必須。盗賊はドロップアイテム及びトレハン要員として必須」
「素早さと器用さ甘く見てる奴はだいたいゲームが下手」
トラップ解除、宝箱の開錠、ショートカット発見に素早さを活かした行動力など、盗賊にだいぶお世話になってきたであろう人々の声が多い。
それなのにどうして盗賊を評価しないスレ主のような人がいるのか。最近のゲームでは、ダンジョン攻略で盗賊の出番が減っている、ということもありそうだ。いや、もちろんハクスラ系だと未だに必須技能なので盗賊スキルはある程度高くしておかないとダメってシーンはあるけども。
ただ特にJ-RPGでは「レベルを上げて物理で殴る」でほぼ解決しちゃうことも多い。それを踏まえたであろう意見もあった。
「RPGの職差が戦闘オンリーになったせいで割食ってるんだよな。本来ならダンジョンアタックでトラップ探知・解除、聞き耳、偵察、扉や宝箱の鍵の解錠と必須技能なのに」
このように、今はゲームによっては盗賊には一切出番がない状況もあるという指摘なのだ。そういうゲームから盗賊に触れた人となると、必然的に盗賊の評価が低くなるのかもしれない。
ゲームの自由度は年々高くなってきているけど、一方で昔当たり前だったことが「不要なもの」として排除されるのはそれはそれで寂しいものだ。